
- 最大10枚の参照画像を基に、一貫性のある画像生成が可能
- 最大4メガピクセルの高精細生成と文字表現の再現性が向上
- 複雑なレイアウトや構造化された指示に追従しやすいモデル設計が採用
2025年11月、Black Forest Labsから新たな画像生成モデルが登場!
今回リリースされた「FLUX.2」はこれまでの画像生成モデルの抱えている問題をクリアするために開発された新たな画像生成モデルです。
従来に比べて質感や光源表現が安定しており、細部の質感の再現がリアルになっています。本記事ではFLUX.2の概要から仕組み、特徴、実際に使ってみた所感について解説をします。
本記事を最後までお読みいただければ、FLUX.2の理解が深まります。ぜひ最後までお読みください!
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FLUX.2の概要
FLUX.2は、Black Forest Labsによって開発された最新の画像生成モデル。FLUX.2は従来の画像生成モデルが抱えていた制限を大幅に改善することを目的としています。

本モデルは、デモ用途にとどまらず実務で使用されることを前提として設計されており、複雑な構図、ブランドガイドラインへの準拠、複数画像を基にした一貫性の保持など、プロダクション向けの要件に対応している点が特徴です。
また、同社が掲げる「Open Core」方針のもと、オープンウエイト版とマネージドAPIの双方を提供しています。研究者や開発者、クリエイターが幅広い用途で扱うことが可能。
FLUX.1シリーズで培われた技術を基盤としつつ、精度、制御性、リアリティの向上を重視して開発されており、画像生成だけでなく編集・レイアウト調整・タイポグラフィにも対応する総合的な「ビジュアルインテリジェンス」モデルとして位置づけられています。
生成解像度は最大4メガピクセルに対応し、製品写真や広告制作のような高精細なワークフローにも利用できる仕様です。

FLUX.2の仕組み
FLUX.2は、画像生成と編集を同一のアーキテクチャ内で統合的に扱う設計を採用。
その中心にはlatent flow matching(潜在流マッチング)アーキテクチャがあり、従来の拡散モデルとは異なるアプローチで画像表現を生成・変換します。
Mistral-3 VLMとRectified Flow Transformerの組み合わせ
モデル内部では、Mistral-3 24BパラメータのVision-Language Model(VLM)と、Rectified Flow Transformerが連携します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Mistral-3 VLM | 膨大なテキスト・画像データに基づく文脈理解や世界知識を担う。 これにより、複雑な指示や構図、構造化された文章を正確に解釈し、意図に沿った画像形成を導きます。 |
| Rectified Flow Transformer | 空間認識、材質表現、照明、構図といった“画像の物理的整合性”に関わる要素をモデリング。 これにより、従来の生成モデルが苦手とした複雑なレイアウトや物体間の関係性を安定して再現できます。 |
両者の連携によって、文章と視覚情報の統合的な処理が可能となり、精密な指示への追従性や構図の統一性に寄与。
マルチリファレンス生成の仕組み
FLUX.2は、最大10枚の参照画像を同時に処理し、それらを統合した新しい画像を生成できます。複数人物の外観保持、製品画像の統一的なスタイル再現、ブランド要素の統合などに利用できる設計です。
このマルチリファレンス処理では、VLMがそれぞれの画像から意味的特徴を抽出し、Transformerが視覚的整合性を保ちながら融合を行います。結果として、キャラクターの同一性やスタイルの一貫性が従来より高いレベルで維持されます。
改良された潜在空間の再学習
本モデルでは、潜在空間を一から再学習したとされています。その目的は以下の3点のバランス改善です。
- 学習しやすさ
- 生成品質
- 圧縮率
これらは同時達成が難しいとされるテーマですが、FLUX.2では潜在表現の最適化により学習効率を保ちながら画像品質を向上させる設計が採用されています。

テキストレンダリング強化
また、FLUX.2では複雑なタイポグラフィや細かい文字の再現が大幅に改善されており、構造化情報やUIモックアップにも利用できるようになっています。
なお、人気1位の最強画像生成AIツールであるFooocusについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

FLUX.2の特徴
FLUX.2には、制作ワークフローに直結する複数の機能が備わっており、画像生成モデルとしての表現力と操作性が大幅に改善されています。高解像度での編集や、複数素材を扱う制作環境まで幅広く対応する点が特徴です。

FLUX.2は最大10枚の参照画像を扱うことができ、人物・製品・スタイルの統一を求める制作工程に適した構造になっています。参照素材を一度に統合できるため、キャラクターの継続表現やプロダクトラインの統一感を求める用途に向いています。
画像の質感表現は、細部のテクスチャや光の安定性が強化された構造になっており、製品写真やフォトリアルなシーン制作にも対応。素材の材質感や陰影が均整に保たれやすい点が特徴として示されています。
テキストレンダリングの精度が向上しており、細かな文字や複雑なタイポグラフィを含む画像生成にも利用可能。
構造化された指示への追従性も高められています。複数要素を含むプロンプトや、レイアウトの指定を含む指示に対応しやすく、意図に沿った構成の画像生成が行えるよう設計されています。

出力解像度は最大4メガピクセルで、画像編集にも対応しており、高解像度を前提とした広告制作やレイアウト作成にも利用できる仕様です。
FLUX.2の複数モデル
FLUX.2には複数のモデルが用意されており、用途に応じて選択できます。
FLUX.2[pro]は品質と速度の両立を重視した構成で、FLUX.2[flex]はステップ数やガイダンススケールを調整することで生成品質や速度を細かく制御。
FLUX.2[dev]はオープンウエイトとして提供されており、ローカル環境での使用にも対応しています。FLUX.2[klein](近日公開)はApache 2.0ライセンスのオープンモデルとして公開予定で、より小型・軽量な設計が示されています。
FLUX.2の料金
FLUX.2には複数のモデルが提供されており、それぞれの利用料金は解像度(メガピクセル)を基準に計算されます。
料金体系は、生成画像のメガピクセル数と参照画像のメガピクセル数に応じて課金。解像度は常に次の整数メガピクセルに切り上げて計算され、4メガピクセルを超える画像は4メガピクセルにリサイズされます。
FLUX.2[pro]では、生成画像と参照画像が別々にカウントされます。生成画像に関しては最初の1メガピクセルが$0.03、2メガピクセル目以降は1メガピクセルあたり$0.015です。
参照画像の料金は各参照画像ごとに1メガピクセルあたり$0.015となります。
FLUX.2[flex]は、生成画像・参照画像ともに統一した単価が設定されており、生成画像・参照画像ともに1メガピクセルあたり$0.06。
なお、共通ルールとして1メガピクセルは1024×1024ピクセルとして扱われ、参照画像が複数ある場合、1枚につき1メガピクセルとして計算されます。

FLUX.2のライセンス
今後リリース予定のFLUX.2[klein]はApache 2.0ライセンスで公開されますが、現時点で公開されているモデルのライセンスについては明記がされていません。
[Pro/flex]のAPI利用時には商用利用可能ですが、[dev]に関しては別途商用ライセンス契約が必要です。※1
| 利用用途 | 可否 |
|---|---|
| 商用利用 | ![]() |
| 改変 | 不明(明記なし) |
| 配布 | 不明(明記なし) |
| 特許使用 | 不明(明記なし) |
| 私的使用 | ![]() |
\画像生成AIを商用利用する際はライセンスを確認しましょう/
FLUX.2の実装方法
FLUX.2[pro]とFLUX.2[flex]はBFL Playground、BFL API、およびローンチパートナーから利用可能。
FLUX.2[dev]はFAL、Replicate、Runware、Verda、TogetherAI、Cloudflare、DeepInfraのAPIエンドポイントを介してサンプリングすることできます。
今回はFLUX.2[pro]をBFL Playgroundで試してみます。
アクセスするとサインインを求められるので、チェックマークにチェックを入れてからサインインしましょう。

サインイン後に入力欄赤枠からモデルを選択できます。

あとは入力欄にプロンプトを入力すればOK。実際に生成している様子がこちら。
生成された画像がこちら。




元々サインインした時点で50 free imagesが付与されているので、今回の生成で46 free imagesになっています。

なお、Gemini 3.0 Proをベースとした画像生成AIであるNano Banana Proについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

FLUX.2活用事例
FLUX.2は表面のテクスチャや光の当たり方の再現性が向上しており、細かい質感が改善されています。つまり今まで以上にリアリティのある画像を生成できるということなので、FLUX.2の特徴を踏まえたうえでいくつか活用事例を考えてみました。
広告・マーケティング制作
まずは、広告やマーケティング制作です。
FLUX.2では、複数の参照画像を利用してスタイルの統一を保ちながら構図やパターンを展開できるため、ブランドガイドラインに沿った画像を効率的に生成できます。照明条件や全体のトーンを揃えた素材が必要な場面でも扱いやすい構造です。
EC・商品撮影の補完
また、商品画像の一貫性を求めるEC分野では、参照画像を基に複数アングルの統一された商品カットの生成も可能。カラーバリエーションやシーン別の利用例を作成する用途にも向いており、背景統一や影の調整を含む編集にも対応しやすい点が活用しやすいでしょう。
UIデザイン・情報設計
文字や細かな図形の再現性が向上しているため、UIモックアップやインフォグラフィックスの制作にもFLUX.2は利用できます。複雑なレイアウトや情報量の多い構成への対応力があり、複数の指示を含むプロンプトに基づいた画面案の作成も可能です。
FLUX.2を実際に使ってみた
FLUX.2は複雑な文字を正確に記述できるようなので、文字を入れた画像を生成してみたいと思います。
日本語と英語の二パターンで試してみます。
日本語プロンプトは以下の通りです。
横長の広告バナーを作成する。上部に太めのタイトルを配置し、中央に写真、下部に短いキャッチコピーを配置する。背景は白を基調としたシンプルなデザインにする。タイトルは「新しい毎日をつくる」、キャッチコピーは「あなたの暮らしに、ひとつの選択肢を」。文字は読みやすく、自然な余白で整える。生成された画像がこちら。




英語のプロンプトがこちら。
Create a wide ad banner. Place a bold title at the top, an image in the center, and a short tagline at the bottom. Use a clean white background. The title should say “Design Your New Days”, and the tagline should say “A simple choice for a better life.” Keep all text readable with proper spacing.生成された画像がこちらです。




日本語にも対応していそうな感じはしますが、一部惜しい部分もありますね。ただ、かなり正確に文字を記述できているなという印象です。
ただしデザイン性も含めると英語で指示を与えた方がよさそうです。
なお、高品質な画像生成モデルであるQwen2vl-Fluxについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

まとめ
本記事ではFLUX.2の概要や仕組み、特徴、実際に使ってみた所感を解説しました。
日本語の描画は一部惜しい部分もありますが、テキストを入れない画像生成であればかなりリアリティの高い画像を生成できます。今後は広告やSNSなどの運用にも活用できるのではないでしょうか。
最後に
いかがだったでしょうか?
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