データ分析の世界が、大きく変わろうとしています。ChatGPTの登場によって、誰でも高度なデータ分析ができるようになりました。従来はプログラミングスキルや統計学の知識が必要でしたが、ChatGPTを使えば自然言語で簡単に分析できます。
- データの可視化やレポート作成を効率的に行いたい方
- ChatGPTを含むデータ分析ツールの特徴を知りたい方
- AI活用の具体的な事例を探している方
本記事では、ChatGPTを活用したデータ分析やメリットについて詳しく解説します。学生から社会人まで、データ分析に興味がある人におすすめです。
データ分析もできるChatGPT
ChatGPTは単なる会話AIではなく、高度なデータ分析機能も備わっています。特にすごいのが、「Advanced Data Analysis」という機能です。以前は「Code Interpreter」と呼ばれていたもので、ChatGPT Plusユーザーが使えるサービスです。
この機能を使えば、データの前処理から可視化、統計分析・機械学習まで幅広い作業ができます。プログラミングの知識がなくても、自然言語で指示するだけで複雑な分析が可能です。
なお、ChatGPTの仕組みや使い方、活用方法について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
データ分析にChatGPTを使うメリット
ChatGPTを活用したデータ分析には、多くのメリットがあります。ここでは、ChatGPTを活用したデータ分析について、どのようなメリットがあるのかをご紹介します。
スキル・知識を補ってもらえる
ChatGPTを使えば、専門的なスキルや知識を持っていなくてもデータ分析が可能です。プログラミングや統計学に深い知識がない人でも、自然言語で指示するだけで、複雑な分析が簡単にできます。
例えば「この売上データから傾向を分析して」と指示すれば、ChatGPTが適切な分析手法を選び、コードを生成し結果を出力します。これにより、データ分析の専門家でなくても、データの背後に隠されたストーリーを発見できるのです。
自然言語だけで高度な分析ができる
ChatGPTの最大の特徴は、自然言語でのコミュニケーションです。データ分析においても、この特徴が活かされています。例えば「売上データの時系列を分析して、将来の予測を出して」と指示するだけで、高度な分析が可能です。専門用語や複雑なコマンドを覚える必要がなく、直感的に操作できます。
また分析の途中で「この部分をもう少し詳しくして」といった追加指示もできるので、対話するように分析を進められます。
分析結果の要約・解釈もしてくれる
ChatGPTは単にデータを分析するだけでなく、その結果を分かりやすく解釈し、要約してくれます。複雑な統計用語や数値データを、ビジネスの観点から意味のある表現に翻訳してくれるのです。
例えば、回帰分析の結果を「売上は広告費と強い相関があり、広告費を10%増やすと売上が約5%上昇する傾向を有する」といった説明をしてくれます。データに詳しくない人でも、分析結果を正しく理解して、適切な意思決定を下せます。
データ分析にChatGPTを使う際の注意点
ChatGPTを適切に使えば、データ分析において強力なツールとなります。ここでは、ChatGPTを使ったデータ分析の注意点を説明します。ぜひチェックしてください。
機密情報や個人情報の分析は避ける
ChatGPTにデータを入力する時は、機密情報や個人情報の取扱いに注意してください。AIは入力されたデータを学習してしまう可能性があるので、企業秘密や顧客情報などの機密データを扱うのは避けましょう。
ChatGPTには入力データを学習に利用させないオプトアウト設定があります。この機能を活用して、法的問題を防ぎましょう。分析前に、データの匿名化や加工を施すことも有効な対策です。
分析ミスのリスクがある
ChatGPTを使用したデータ分析には、分析ミスのリスクがあります。AIが出力する結果は入力データの質に大きく依存するので、不適切なデータや不十分な前処理は、誤った分析結果を招く可能性があります。
またChatGPTが出力した結果を解釈する際は、慎重さが必要です。一見有益な情報でも、背後にある理由や因果関係を理解しないと、誤った結論に導かれる危険性があります。
分析結果をうのみにしないで、常に疑う視点を持ってください。
高度な分析にはスキル・知識を要する
ChatGPTは便利なツールですが、高度なデータ分析には専門的なスキルや知識が必要です。統計学や機械学習の基礎知識がないと、適切な分析手法の選択や結果の解釈が難しくなります。
業界特有の知識や経験も欠かせません。ChatGPTは一般的な知識を備えていますが、特定分野での深い分析には限界があります。
ChatGPTを補助ツールとして使いながら、専門家の知見も組み合わせて活用してください。
なお、ChatGPTをデスクトップアプリで使う方法について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
【データ分析編】ChatGPTでできること
ChatGPTは、データ分析において多彩な機能をユーザーに提供しています。ここでは、ChatGPTが有する機能の特徴や活用方法を説明します。
Googleドライブ&OneDriveからのファイルアップロード
ChatGPTは、GoogleドライブやOneDriveと直接連携し、クラウド上のファイルを簡単にアップロードできます。対応ファイル形式は、スプレッドシートやドキュメント・スライド・Excel・Word・PowerPointです。
連携方法は簡単で、ChatGPTにログインした後で左側のメニューから「ファイルアップロード」を選択し、使用するクラウドサービスを選んでアクセス許可を与えるだけです。
スプレッドシートの関数・マクロの生成
ChatGPTは、スプレッドシートの関数やマクロを効率的に生成できます。複雑な計算式や条件分岐を含む関数も、自然言語で説明するだけで、適切なコードを提案してくれます。
たとえば売上データの集計や顧客情報の分析など、ビジネスで頻繁に使用する処理を簡単に自動化可能。マクロの作成も同様に目的を伝えるだけで、VBAコードを生成してくれるので、プログラミングスキルがなくても高度なスプレッドシート操作ができます。
ソースコードの生成
ChatGPTは、多様なプログラミング言語のソースコードを生成可能です。PythonやC言語、HTMLはもちろん、Mermaid記法やMarkdownにも対応しており幅広いニーズに応えます。ユーザーが自然言語で要件を説明すると、ChatGPTが適切なコードを提案します。
たとえばデータ分析用のPythonスクリプトや、ウェブサイトのHTMLコード、フローチャートを表現するMermaid記法など、様々な用途に活用可能です。
データの可視化・図表作成
ChatGPTには高度なデータ可視化機能が備わっているので、ユーザーが自然言語で指示すれば、以下のような図表を作れます。
- 棒グラフ
- 折れ線グラフ(ラインプロット)
- 円グラフ
- 散布図
- マインドマップ
ChatGPT PlusユーザーはAdvanced Data Analysis(旧Code Interpreter)機能を使って、図表のリアルタイム編集も可能です。
たとえば売上データの時系列変化を折れ線グラフで表示したり、顧客セグメントを円グラフで表現するなど、データの特性に応じて専門的な見栄えのグラフを提案してくれます。
数式・コードの実行
ChatGPTは、複雑な数式やコードを実行する能力を持っています。この機能を使えば、以下のような高度な統計分析や機械学習モデルの構築も可能です。
- ロジスティック回帰分析
- A/Bテスト
- 標準偏差
- 相関分析
- 予測モデル
また、テキストデータのネガポジ分析や機械学習モデルの構築も、ChatGPTの得意分野です。定量分析
ではデータの傾向や特徴を数値で表現し、定性分析ではテキストデータから重要な情報を見つけ出せます。
分析結果の解釈・説明
ChatGPTは単にデータを分析するだけでなく、その結果を分かりやすく解釈し、説明する能力も持っています。複雑な統計用語や数値データを、ビジネス的な観点から意味のある形に翻訳可能です。
技術的な専門知識がなくても分析結果の本質を理解できるよう、簡単な言葉でかみ砕いて説明してくれます。また分析結果から実際に役立つ”気づき”を見つけ出して、具体的に何をすべきかを提案してくれるので、経営判断や戦略立案に役立ちます。
データ分析にも使えるChatGPTの料金体系
ChatGPTのデータ分析機能を利用するには、料金プランを選択する必要があります。ChatGPT Plusは月額20ドルで、Advanced Data Analysis機能を含む、高度な分析ツールが使えます。※1
企業向けには、ChatGPT Teamが用意されています。チーム内でのデータ共有や高度なセキュリティ機能が付いていて、月額25ドルからの料金設定です。
大規模な組織向けには、ChatGPT Enterpriseというカスタマイズ可能な高機能版があります。料金は要相談となっています。
プラン名 | 料金 | 主な機能 |
---|---|---|
無料版 | 0円 | 基本的な会話機能 |
ChatGPT Plus | 月額20ドル | Advanced Data Analysis、GPT-4利用可 |
ChatGPT Team | 月額25ドル~ | データ共有、高度なセキュリティ |
ChatGPT Enterprise | 要相談 | カスタマイズ可能な高機能版 |
ChatGPTでデータ分析をやってみた!
ChatGPTの実力を体感するために、実際にデータを分析してみましょう。Kaggleから取得した分析用のデータセットを使って、ChatGPTのAdvanced Data Analysis機能で分析を進めます。
分析1.図表の作成
ChatGPTを開き、クリップのマークをクリックして、ダウンロードした分析用データセットのファイルを選択します。
次に、『アップロードしたデータセットを使用して、[特定の変数]の分布を示す棒グラフを作成してください』と入力し、Enterを押してください。
すると、以下のような返答が返ってきました。
ジャンル別の分布を依頼すると、このようなグラフが表示されました。
青字の[>_]の部分を押すと、コードが表示されます。ぜひ確認してください。
分析2.計算式の実行
ここでも分析したい計算について、自然言語で指示してみましょう。『データセット内の[変数A]と[変数B]の相関関係を計算してください』と、ChatGPTに指示します。
すると、ChatGPTから変数Aと変数Bを教えてほしいと返ってきました。ここでは、メッセージを送信するところに自動で準備されていた2つの返答のうち、1つ「JP_SalesとGlobal_Salesの相関を見たい」を選択します。すると、具体的な相関係数と、ChatGPTがどのように解釈したのかが分かりました。
分析3.結果の要約
分析結果の要約を依頼してみましょう。ChatGPTに、『実行した分析の主要な発見事項を3つのポイントにまとめてください』と指示します。すると、以下の答えが返ってきましたよ!
特定の観点からの解釈を求めることも可能です。『この分析結果が[ビジネス/研究]にどのような影響を与える可能性があるか説明してください』と指示してみましょう。
と回答してくれました。この機能のおかげで、コーディングスキルがなくても包括的なデータ分析ができましたね!
なお、月額3万円のChatGPT Proについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
ChatGPTがデータ分析の未来を変える
ChatGPTは、データ分析の方法を大きく変えています。プログラミングの知識がなくても、自然言語を使って高度な分析が可能。Advanced Data Analysis機能を使えば、データの整理からグラフ作成、統計分析まで幅広い作業が簡単に行えます。
分析結果を正しく理解するためには、人間の専門知識や判断力も重要です。ChatGPTを上手に使って、ビジネスに役立つ情報をどんどん手に入れてください!
【ChatGPTでできること】
- 複雑なデータを分かりやすく可視化
- 統計分析や機械学習モデルを簡単に作成
- 自然言語でコードを生成、実行
- 分析結果の要約
- ビジネスに役立つ提案
最後に
いかがだったでしょうか?
高度なデータ分析をChatGPTでもっと簡単に、効率的に。ChatGPTの活用方法を詳しく知り、業務改善の可能性を探ってみてください。
株式会社WEELは、自社・業務特化の効果が出るAIプロダクト開発が強みです!
開発実績として、
・新規事業室での「リサーチ」「分析」「事業計画検討」を70%自動化するAIエージェント
・社内お問い合わせの1次回答を自動化するRAG型のチャットボット
・過去事例や最新情報を加味して、10秒で記事のたたき台を作成できるAIプロダクト
・お客様からのメール対応の工数を80%削減したAIメール
・サーバーやAI PCを活用したオンプレでの生成AI活用
・生徒の感情や学習状況を踏まえ、勉強をアシストするAIアシスタント
などの開発実績がございます。
まずは、「無料相談」にてご相談を承っておりますので、ご興味がある方はぜひご連絡ください。
「生成AIを社内で活用したい」「生成AIの事業をやっていきたい」という方に向けて、生成AI社内セミナー・勉強会をさせていただいております。
セミナー内容や料金については、ご相談ください。
また、サービス紹介資料もご用意しておりますので、併せてご確認ください。