受発注業務を効率化するには?おすすめのAIツールもご紹介!

導入フェーズ

みなさんの会社では、「受発注業務のDX」をどのように進めていますか?

受発注業務のDXについては、業務内容の見直しからITツールの活用まで様々なやり方があるかと思います。
ですが、「取引先とのコミュニケーション」や「手書き書類の転記」等、人が対応しなければならない業務も多いのではないでしょうか?

そんな効率化を妨げる業務まで、自動化できるソリューションがあるとしたら導入してみたいですよね。

当記事では「完全自動化」が目指せる新機軸のソリューションを含めて、受発注業務効率化の方法を徹底解説!
完読いただくと、電話対応や脱・紙媒体の超効率化が狙えるかもしれません。

ぜひ最後までお読みください!

受発注業務の課題とは?

製造業や卸売業、小売業における受発注業務は要約すると「注文を出したり受けたりする業務」なのですが、

発注業務の流れ
  1. 見積もり依頼&問い合わせ
    (商品情報 / 単価 / 納期 / 在庫…etc.)
  2. 注文書作成の後、発注
  3. 商品受け取り
  4. 入金
受注業務の流れ
  1. 見積もり依頼&問い合わせへの回答
  2. 受注後、伝票作成
  3. 商品の出荷
  4. 支払い確認の後、領収書発行

以上のとおり定型・非定型業務が混在しています。

加えて、慢性的に下記の課題を抱えることとなるため、「受発注業務を効率化してコア業務に集中したい!」とお考えの企業様も多いのではないでしょうか。

受発注業務の課題
  • 対人コミュニケーションによる課題
    • デジタル化が困難
    • テレワーク・時差出勤が導入しにくい
    • 電話対応時のストレス
  • コア業務との掛け持ちによる課題
    • ヒューマンエラーの発生
    • コア業務の生産性低下
  • 煩雑な業務内容による課題
    • 業務の属人化
    • 新人への教育内容の複雑化

当記事では、そんな受発注業務の効率化ができる方法をご紹介します!

従来の方法による受発注業務の効率化

ここでは「受発注業務を効率化する方法」について、従来のものを6つご紹介します。

業務フローの見直し

受発注業務効率化を目指すにあたって、まず試したいのが「業務フローの見直し」です。

受発注業務全体の流れをフローチャートに可視化して俯瞰することで、属人化・停滞・無駄がある箇所を特定しやすくなります。あわせて、各工程での所要人数・所要時間も数値化することで、見直しがスムーズになるでしょう。

見直し後は、新規業務フローに基づくマニュアル作成と関連部門へのナレッジ共有もお忘れなく。これだけでもある程度効果が期待できますし、以降に挙げる方法との組み合わせでさらなる効率化が目指せます。

アウトソーシングの活用

業務過多・人手不足が慢性化している場合は、受発注業務の「アウトソーシング」も有効です。こちらはコア業務の時間が確保できるほか、テレワークの導入が容易になるというメリットもあります。

ただし、アウトソーシングでは下記のデメリットを受け入れなくてはいけません。

  • コストがかかる
  • ノウハウが蓄積されない
  • リアルタイムでの管理が難しい

可能であれば、後述するIT技術を駆使して自社管理での効率化を目指したいところですね。

Web受発注システムの導入

受発注のやり取りをオンラインで完結できる「Web受発注システム」も、業務効率化に貢献してくれるでしょう。このWeb受発注システムは導入形態や開発手法によって、

  • 導入形態
    • クラウド型:インターネット上(外部のサーバー)に導入
    • オンプレミス型:自社のサーバーに導入
  • 開発手法
    • パッケージ:既製品をそのまま活用
    • ハーフスクラッチ:既製品をカスタマイズ
    • フルスクラッチ:自社専用にゼロから開発

このように、さまざまな選択肢が用意されています。まずは、複数のベンダーに相談するのがおすすめです。

マクロの活用

社内でITに強い人材を抱えている場合は、アプリの操作をテンプレートに沿って自動化してくれる「マクロ」の作成・活用も効果的。特に、Excelの「VBA」やGoogleスプレッドシートの「GAS」等、スクリプト言語による表計算ソフト専用のマクロは下記の作業を手広く効率化してくれます。

  • 集計
  • 表作成
  • 伝票作成

ただし、マクロの活用はIT人材への依存・属人化を進める要因でもありますので、受発注業務への導入時には検討が必要かもしれません。

OCRの導入

紙上の文字を認識してデータに起こす「OCR / 光学式文字認識」があれば、紙媒体から電子媒体への転記が効率化できます。特に受発注業務においては、FAXで送られてきた伝票をデータ化してくれるFAX-OCRが活躍してくれるでしょう。

ただし、OCRの読み取り精度は完璧ではないので人の目による最終確認が必要。乱雑な字体・特殊な記号・似た形状の文字に対しては、しばしば誤認識が発生します。業務の補助用と割り切って活用したほうがよいかも知れません。

RPAの導入

PC上での定型業務を代行するソフトウェアロボット「RPA (Robotic Process Automation)」は、受発注業務全般を効率化してくれます。先ほどのマクロから一歩進んで、GUI全般の操作までテンプレートどおりにこなせるようになるので、

  • テンプレートに基づく、24時間体制での問い合わせ対応
  • 表計算ソフトやその他アプリの操作
  • 紙媒体から電子媒体への転記作業(要OCR)
  • Web受発注システムとの連携
  • FAX / メール / 電話…etc.の一元管理
    …and more.

といったことが自動で行えます。

ただ、このRPAをもってしても、イレギュラーへの自動対応までは実現不可。
受発注業務の完全自動化を目指すには、さらなる一手が必要です。

なお、顧客対応が自動化できるAIチャットボットについて詳しく知りたい方は下記の記事もあわせてご確認ください。

受発注業務を効率化する新しい方法

受発注業務の効率化に向けた新たなソリューションとして、先ほどの「RPA」に「生成AI」を組み合わせたものが注目を集めています。

そもそも、生成AIとはテキストや画像等の新しいコンテンツを生み出せるAI(人工知能)の総称。そのなかでもRPAの機能を補強するものとして、テキストの生成に特化した「LLM / 大規模言語モデル」が注目されています。

このLLMの特徴・すごいところは、

● 自然言語での命令をもとに、新規性のあるテキスト・ソースコードが生成可能
● コンテンツ生成の応用で、感情の分類やシナリオの判断も可能
● 単語の前後関係が理解できるため、欠損データの穴埋めも得意
RAGの活用で、社内独自のデータも回答に反映可

以上のとおりで、臨機応変な処理が可能。こちらに精度・速度に長けたRPAを組み合わせることで、

RPAのメリット・デメリット
  • RPAのメリット
    • GUI全般の自動操作
    • テンプレートに基づく正確な処理
    • タイムラグのない高速処理
  • RPAのデメリット
    • 臨機応変な対応・判断が不可
生成AI(LLM)のメリット・デメリット
  • 生成AIのメリット
    • イレギュラーへの自動対応
    • 取引先ごとの事情を踏まえた対応
    • 社内ノウハウや暗黙知の言語化&活用
  • 生成AIのデメリット
    • 単体ではGUIの操作が不可能
    • ハルシネーション等、誤作動のリスク
    • 生成時のタイムラグ

以上のとおり、お互いのデメリットが補完できるようになります!

なお、生成AIを搭載した業務用ボットについて詳しく知りたい方は下記の記事もあわせてご確認ください。

受発注業務の効率化を「生成AI×RPA」で行う方法5選

ここからは、生成AI×RPAの組み合わせにできることを5つ紹介。今回ピックアップした受発注業務効率化の具体例は、下記のとおりになります。

  • 問い合わせ対応の自動化
  • データの照会・要約
  • 受注データの整形
  • 手書き書類の電子化
  • 自然言語による業務フローの生成

まずは待望の問い合わせ対応自動化から、ご紹介していきます。

問い合わせ対応の自動化

生成AI×RPAの組み合わせなら、受発注業務で最も手間のかかる問い合わせ対応も、自動化することが可能です。

RPA単体の場合、「特定のキーワードを含む問い合わせにのみ定型文を返す」という方法でしか自動対応ができませんでした。

対して、文体・感情で文章を分類できる生成AIにRPAを組み合わせたものなら、

  1. RPAがメール本文・電話の文字起こしを生成AIに渡す
  2. 生成AIが問い合わせを分類する
  3. 生成AIが分類別に最適な応答を生成する
  4. RPAが応答をメール形式で送信する

以上の手順でメール・電話対応が自動化可能。
24時間365日体制で、最適な問い合わせ対応が実現できるかもしれません。

データの照会・要約

生成AIとRPAのタッグなら、問い合わせがあった商品の情報をデータベースから探し出す工程も効率化できます。

具体的な商品名や型番の指定がない場合でも、問い合わせ内容と近い商品を推測してデータを照会する「セマンティック検索」が可能です。

工程としては、

  1. FAX / メール / LINE / 電話…etc.での問い合わせをRPAで統合して生成AIが分析する
  2. RAGで問い合わせ内容に一致するor意味的に近い商品データを照会する
  3. 商品データを生成AIが要約する

以上のとおり。ここにRAGの進化版「RAG Fusion」を組み合わせると、確実に商品が探し出せるかもしれません。

受注データの整形

生成AI(LLM)はTransformerを搭載する関係上、「文章全体を俯瞰して各単語を適切に配置する能力」に優れています。この特性を応用することで以下のとおり、受注データの省略箇所が穴埋めできます。

  1. 省略箇所(いつもの / 略称 / 〃…etc.)を含む新規受注データをRPAが受け取る
  2. RAGで新規受注データに近い過去の受注データ(の法則性)を参照する
  3. 参照したデータをもとに、生成AIが省略箇所を補完する

上記のしくみは基幹システムに入力する商品名・型番の統一や脱・属人化に一役買ってくれそうです。

手書き書類の電子化

文章の穴埋めを得意とする生成AI(LLM)なら、OCRの誤認識箇所も補完可。高精度なAI-OCRと組み合わせることで、下記のとおり「手書きの書類」をも電子化できてしまいます。

  1. 手書きの書類をAI-OCRで読み取る
  2. AI-OCRが誤認識した箇所を生成AIとRAGで補完・整形する
  3. 整形済みのデータをRPAが表計算ソフトに転記する

確認・修正の手間が減らせるため、受発注業務の大幅な効率化が狙えるかもしれません。

自然言語による業務フローの生成

生成AI×RPAなら、受発注業務を自動化するための「業務フロー」をも自動で用意できてしまいます。しかも、

  1. 生成AIに自然言語で「○○を××してほしい」との指示を出す
  2. 生成AIが業務フローを考案する
  3. マークアップ形式の業務フローをRPAで図式化する
  4. 業務フローを生成AI×RPA(自律型AIエージェント)が実行する

以上のとおり、業務フローを実行するところまで自動化ができてしまうんです!「効率化のための効率化」まで可能、というわけですね。

受注業務の効率化を実現する「生成AI×RPA」のおすすめサービス

「Autoジョブ名人」を開発・提供しているユーザックシステム株式会社とWEELが、受注業務の効率化を目指した新サービスを開始しました。

生成AIの得意分野や周辺技術を活かした下記の機能がお使いいただけます。

スクロールできます
「受注業務AIエージェント」の機能RPA(Autoジョブ名人)の役割生成AIの役割
受注データの整形・注文書・発注書の受け取り・整形した注文書・発注書の基幹システムへの登録RAGで参照した社内データと、注文書・発注書の内容の前後関係から省略箇所(いつもの / 略称 / 〃…etc.)を補完
パーソナライズされた自動対応取引先への対応の自動化過去の取引履歴をRAGで参照し、取引先ごとの特色・傾向を抽出
受注処理の最適化多チャネル(FAX / メール / LINE / 電話…etc.)からの受注データの統合過去のデータに基づく受注処理の最適化・判断・実行

定型業務から非定型業務まで、24時間365日体制での自動化がご期待いただけるはずです。

現在、こちらの「受注業務AIエージェント」につきましては、PoCサービスのご予約を承っております。ご興味がございましたらぜひ、以下のフォームからお問い合わせください。

生成AIで受発注業務の効率化を加速させよう!

当記事では、受発注業務の効率化に向けたソリューションについてご紹介しました。

受発注業務を効率化する方法としては、業務フローの見直しからITツールの導入までさまざまなものがあります。なかでも、新機軸の「生成AI×RPA」なら、下記の実現まで目指せるはずです。

  • 問い合わせ対応の自動化
  • データの照会・要約
  • 受注データの整形
  • 手書き書類の電子化
  • 自然言語による業務フローの生成

処理速度・精度に優れるRPAと柔軟性・判断力に優れる生成AIの組み合わせなら、受発注業務のDXに革命が起こせる……かもしれませんね!

なお、弊社・株式会社WEELからもユーザックシステム株式会社と共同で、生成AI×RPAの「受注業務AIエージェント」をリリース中!「受注業務の完全自動化」を目指されているお客様はぜひ、下記フォームからお気軽にお問い合わせください。

生成AIを社内で活用していきたい方へ

「生成AIを社内で活用したい」「生成AIの事業をやっていきたい」という方に向けて、生成AI社内セミナー・勉強会をさせていただいております。

セミナー内容や料金については、ご相談ください。

また、大規模言語モデル(LLM)を対象に、言語理解能力、生成能力、応答速度の各側面について比較・検証した資料も配布しております。この機会にぜひご活用ください。

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