
- データベースとLLMを簡単に連携し、既存のデータを活用したAI予測・分析を実現
- SQLライクなクエリ言語とAutoML機能により、機械学習の知識なしでモデル構築・操作が可能
- オープンソースで利用でき、ChatGPT連携や各種システムへの組み込みにも対応
売上管理や顧客情報など、データとしてはどんどん蓄積されているけれど、分析調査や業務の効率化などにうまく活かせていない。日々の分析業務を簡単に自動化できればいいなと思いませんか?
MindsDBを使えば、売上予測や在庫の最適化、顧客の分類などを自動化することができるんです!
今回はMindsDBの概要から導入方法、チュートリアルのサンプルプログラムの解説、料金プランなどをご紹介します。なんと、いま使っているデータベースと連携でき、すぐに使い始められます。その方法までわかりやすく解説しているので、ぜひ最後までご覧ください!
\生成AIを活用して業務プロセスを自動化/
MindsDBの概要
MindsDBは機械学習モデルを構築し、データ予測や自動機械学習(AutoML)などを行うためのオープンソースのフレームワークです。
MindsDBの主な特徴をまとめました。
| 特徴 | 内容 | メリット |
|---|---|---|
| 自動機械学習(AutoML) | トレーニングデータと予測対象を指定するだけで、最適な機械学習モデルを自動構築。 | モデル設計の知識がなくてもAI分析を開始できる。 |
| SQLライクなクエリ言語 | SQL文に似た構文で操作可能。 | 新しいプログラミング言語を覚えなくても利用できる。 |
| 直感的なインターフェース | ブラウザ上の専用エディタやCLIで操作可能。 | コーディング初心者でも簡単にモデルを作成・実行できる。 |
| 多様なデータソース対応 | MySQL、PostgreSQL、SQL Server、Oracle、MongoDB、CSV、JSONなどに対応。 | 既存の社内データや外部ファイルをそのまま活用できる。 |
| 多言語対応(API利用) | REST API経由でPython以外の言語(JavaScript、Ruby、C#など)から利用可能。 | 既存システムやアプリケーションにAI機能を組み込みやすい。 |
これだけ高機能なMindsDBですが、オープンソースなので無料で使えるというのが嬉しいですよね。機械学習の知識がなくてもデータ予測や分析の自動化を手軽に進めることができるため、まずは試してみましょう!
MindsDBのアーキテクチャと構成
MindsDBは「Lightwood」という独自の機械学習エンジンを中心に構築されており、既存のデータベースにAI機能を統合する設計になっています。内部ではデータ接続層・学習層・推論層が連携し、SQLを使ってAIモデルを呼び出せるのが特徴です。拡張性が高く、RAGやLangChainなどの外部LLMとも連携可能です。
さらに、APIを通じてPythonやJavaScriptからも操作できるため、業務システムへの組み込みも容易です。
MindsDBの料金体系
MindsDBはオープンソースのプロジェクトになるので、ご自身の環境にインストールする場合費用はかかりません。
ただ、オープンソースということなので利用に関しては自己責任となる上、使用できるリソースやパフォーマンスに限りがあったり、専門のサポート窓口が用意されていないなど業務で利用するには少し不安な部分もあるかもしれません。
しかし、MindsDBにはそれらの問題を一挙に解決できる「スタータープラン」という有料プランが用意されています!スタータープランは1時間あたり0.7ドルの従量課金制となっており、専用のインスタンスや計算リソースが割り当てられます。
また、業務で重要となるセキュリティ対策やバックアップにも対応し、MindsDBコアチームのサポートも受けられるなどのサービスが提供されていますので、本格的に運用される際は検討してみてください。
MindsDBの使い方
MindsDBは、MindsDB Cloudを使う方法やPythonのpipを使ってWindowsやMacにインストールする方法などがありますが、今回はマニュアルに沿ってDockerにてセットアップを行います。
まずはターミナルを開き、下記のコマンドを入力すると自動でインストールが始まります。
docker run -p 47334:47334 -p 47335:47335 mindsdb/mindsdb
なお、MindsDBをDockerで使う場合、Dockerの設定でメモリが8GB以上であること、HDDに20GB以上の空きがあることが動作条件となるのでご注意ください。回線速度にもよりますが、30分ほどでインストールが完了し、MindsDBが立ち上がります。
インストール完了後にブラウザでDocker上のリンク127.0.0.1:47334にアクセスするとMindsDBのエディターにアクセスすることができます。

【MindsDBの画面構成】
- ナビゲーター
ファイルやデータベースにアクセスできる - エディター
ここにプログラムを書く - リザルト
実行した結果が出力される - データインサイトボタン
生成したデータを可視化する - Learning Hub
目的別のチュートリアルが表示される
※上記画面構成の呼び方は便宜上、筆者が付けたものであり公式の呼び方ではありません。
とてもシンプルな画面構成となっていて、一般的なコードエディターと同じように使えるというのもハードルが低くてありがたいですね。
なお、AIを使いこなすための知識について知りたい方はこちらをご覧ください。

MindsDBを実際に使ってみた
では、実際にMindsDBのエディターを使ってチュートリアルの「Forecast Quarterly House Sales(四半期別住宅販売の予測)」をやってみましょう!
データベースへ接続する
必要なデータはすでに用意されていますので、まずはデモ用のデータベースに接続します。
下記のコードをコピーして中央のエディターに貼り付けたあと、上の「Run」のボタンを押してください。MindsDBで使う言語はSQLのようなクエリなのでわかりやすいですよね。
CREATE DATABASE example_db
WITH ENGINE = "postgres",
PARAMETERS = {
"user": "demo_user",
"password": "demo_password",
"host": "3.220.66.106",
"port": "5432",
"database": "demo"
};すると、下部のリザルト画面に実行結果が表示されます。

「接続成功」という旨のメッセージが表示されましたね。これで、外部のデータベース上でクエリを実行できる準備ができました。
データの確認方法
次に、機械学習モデルのトレーニングに使うデータをプレビューしてみましょう。
こちらに関しても、すでにデータベースに入っているデータを参照します。
SELECT *
FROM example_db.demo_data.house_sales
LIMIT 10;上記コードをエディターに入力しRunボタンをクリックすると、今回はメッセージではなくデータベースの中身がテーブル形式でリザルト画面に表示されました。

MindsDBのクラウド版では、この画面右上に「Data Insights」ボタンが表示され、クリックするとデータを自動でグラフ化できます。ローカル版では表示されない場合もありますが、機能は同じです。
以上がMindsDBの基本的な使い方になります。
機械学習モデルの作成
次に、MindsDBのメインである機械学習モデルを作ってトレーニングしましょう。
CREATE MODEL構文を使って、どのクエリをトレーニングに使用し、何を予測したいかを指定します。今回はMA、つまり住宅販売における中央価格の移動平均であるMA列というのを予測したいと仮定しています。
CREATE MODEL
mindsdb.house_sales_model
FROM example_db
(SELECT * FROM demo_data.house_sales)
PREDICT ma
ORDER BY saledate
GROUP BY bedrooms, type四半期が対象なので、次の四半期を予測するために過去2年間を見ます
WINDOW 8
HORIZON 4;モデルを作成中は左下に進捗状況が表示されるほか、下記コマンドでもステータスを確認できます。
DESCRIBE house_sales_model;
モデル作成のステータスが完了になれば、特定の期間の予測を生成できるようになります。
予測データの生成
今回はLATESTキーワードを使って最新のトレーニングデータの直後の予測を生成してみます。
SELECT m.saledate as date, m.ma as forecast
FROM mindsdb.house_sales_model as m
JOIN example_db.demo_data.house_sales as t
WHERE t.saledate > LATEST AND t.type = 'house'
AND t.bedrooms=2
LIMIT 4;リザルト画面に3ヶ月ごとの予測データが出力されます。

typeをhouseからunitに変更したり、bedroomsの数字を変えてRunボタンをクリックするとそれぞれのパターンに応じた予測データが生成されるので試してみてください。
ワークフローの自動化
さらにMindsDBを使って今までのワークフローを自動化することも可能です。
CREATE JOBコマンドでジョブを作ることができます。
CREATE JOB retrain_model_and_save_predictions (
RETRAIN mindsdb.house_sales_model
FROM example_db
(SELECT * FROM demo_data.house_sales)
USING
join_learn_process = true;
CREATE TABLE my_integration.rentals_{{START_DATETIME}} (
SELECT m.saledate as date, m.ma as forecast
FROM mindsdb.house_sales_model as m
JOIN example_db.demo_data.house_sales as t
WHERE t.saledate > LATEST
LIMIT 4
)
)
END '2023-10-30 00:00:00'
EVERY 2 days;上記は2023年10月30日まで、2日おきに予測データを生成するというコマンドになります。
注意点としてはジョブを実行する前に、MindsDBにデータベースを接続して、書き込みアクセス権を持つユーザーでテーブル作成ができることを確認してください。
MindsDBの応用例と活用シーン
MindsDBは売上予測や在庫最適化、異常検知などの時系列・分類タスクに広く利用されており、CRMやBIツール、社内データベースと連携して、SQL感覚でAIモデルを活用した自動分析が可能です。
また、チャットボットへの組み込みや、外部ツールと連携したRAG型テキスト解析にも応用できます。リアルタイム分析や需要予測の自動化にも対応しており、業務の意思決定を高速化する強力なツールとなっています。
MindsDBを使ってChatGPTと連携してみた
ここからは、MindsDBとChatGPTを連携させていきましょう!
API Keyの取得
MindsDBでChatGPTを使うには、まずAPI Keyを取得する必要があるので、その方法から説明します。
まず、以下のリンクからOpenAIの公式サイトにアクセスします。
リンク:OpenAI Platform
右上のアカウントのアイコンをクリックし、View API Keysを選択します。

Create new secret keyをクリックして、名前を入力すると、API keyを取得できます。

連携
API Keyの取得ができたら、いよいよMindsDBに連携させていきます。連携の方法は、以下の公式ドキュメントを参考にしました。
まず、以下のSQLでOpenAI Engineを使用してMindsDBモデルを作成します。

CREATE MODEL questions_without_context_model
PREDICT answer
USING
engine = 'openai',
question_column = 'question',
api_key = 'YOUR_OPENAI_API_KEY';実行が完了すると、以下のような結果が返ってきます。

これでモデルの構築は完了です。
以下のSQLを実行することで、質問とそれに対する回答を得ることができます。
SELECT question, answer
FROM questions_without_context_model
WHERE question = 'ここに質問を入力します’';ChatGPTは日本語に対応しているので、質問は日本語でもOKです。

しっかりとした応答をしてくれました。
これで、MindsDBでChatGPTが使えるようになりました!この方法以外にも、ChatGPTと連携する方法はいくつかあり、使い方も様々ですので、気になった方は是非やってみてください!
今回はチュートリアルのデータベースを利用しているので馴染みのないデータも表示されていますが、MindsDBを使えば簡単に機械学習と予測データの生成ができるということを感じていただけたかと思います。
MindsDBに関するよくある質問(FAQ)
なお、そもそもAPIについて知りたい方はこちらをご覧ください。

MindsDBの評価
| 日本語対応 | 非対応 |
|---|---|
| 使う職業 | マーケッター・アナリスト |
| オススメ度 | ★★★★ |
| 今後も使いたいか | MindsDBは簡単に機械学習や予測データの生成ができ、広い分野において業務効率化という目的に利用するには適切なツール。ただ、英語表記のみで日本語で書かれたドキュメントが少ないためそのあたりが不便だと感じました。しかしながら、オープンソースということで費用がかからないのは大きなメリット。とりあえず売上予測や顧客分析を機械学習で試してみたいという方には試す価値ありです。 |
まとめ
MindsDBは、LLMとデータベースを簡単に連携できるオープンソースAIプラットフォームです。 コードを書かずに予測・分析を自動化でき、DockerやCloudなど環境を問わず導入できます。
業務データを活かしたAI分析やLLM連携を試したい方は、まずMindsDB Cloudで無料体験してみましょう。
最後に
いかがだったでしょうか?
自社データを活かしたAI分析や業務自動化をどこから始めるべきか、MindsDBやLLM連携の最適な導入方法を知りたい方に向けて、実践的な活用ポイントをお伝えします。
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