- 難しい設定不要で高品質画像を生成できる オフライン対応のオープンソースAIツール
- Stable DiffusionとMidjourneyの長所を融合 無料で商用利用も可能
- 導入が容易で多環境に対応 Colab・ローカル・Macなど幅広く運用可
皆さん、Fooocusという画像生成AIをご存知ですか?Fooocusは難しいパラメーターの調整が不要で、プロンプトを入力したり作りたい画像スタイルをボタンで選んだりするだけで簡単にハイクオリティ画像が作れます。Fooocusはオフラインでも動くオープンソースツールであり、いわばStable Diffusion とMidjourneyのいいところを選りすぐったツールです。
今回は、Fooocusの概要・導入方法・実際に使ってみた感想をまとめます。この記事を最後まで読むと、専門知識がないあなたでもAI絵師になれるので、ぜひ最後までご覧ください!
\生成AIを活用して業務プロセスを自動化/
Fooocusの概要
Fooocusは、オフラインで動作するオープンソース(無料)の画像生成ソフトウェアです。難しいパラメーターの調整の設定などは、システム内部で自動的に設定してくれるため、プロンプトの入力をするだけでハイクオリティな画像を生成できます。

Fooocusが優れているのは、Stable DiffusionとMidjourneyという有名な画像生成ツールのいいとこどりをしているからです。その機能の素晴らしさが好評で、GitHubで人気のツールとなっています。
そんなFooocusとStable Diffusion、Midjourneyとの違いはこちらです。
Fooocus | Stable Diffusion Web UI | Midjourney | |
---|---|---|---|
料金体系 | 無料 | 無料 | 有料 |
操作難易度 | 中 | 高 | 低 |
特徴 | SDXLを手軽に使える | デファクトスタンダード | 専門知識不要 |
UI | ブラウザ(ローカル) | ブラウザ(ローカル) | Discordによるチャット |
LoRA | ![]() | ![]() | × |
画像メタデータの匿名化 | ![]() | △ | × |
Stable Diffusion は、初めて使う方には操作が少しむずかしいです。使いたいモデルをダウンロードしたり、細かいパラメーターの調整などが必要だったり、知らないと使いにくいところが多々あります。
一方で、Midjourneyは、操作は簡単ですが有料です。ずっと画像生成したいけど金銭的な制約が難点です。ただ、モデルのステップ数の変更やControlNetが利用できないなどの制約もあり、本格的に画像生成を使いたいという方には向いていないです。
また、制約をなくしたFooocus-MREという派生ツールも開発されており、より本格的な画像生成がしたい方はこちらを使ってみるといいかもしれません。
なお、高速・高解像度の画像生成モデルについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Fooocusの料金体系
Fooocusはオープンソースのため、無料です。ただし、Google Colab Proで動かす場合は月額1,179円、Google Colab Proは月額5,767円 かかります。
それでは導入方法をみていきましょう。
Fooocusの導入方法
次に、Fooocusの使い方を詳しく紹介します。導入方法はGoogle Colab環境とローカル環境へのインストールの2つです。
Fooocusを動かすために必要なスペック
- Google Colab
- GPU:T4 GPU
無料プランのGoogle Colabでも動作しましたが、画像の生成に時間がかかりました。より快適にFooocusを利用するなら有料プランのGoogle Colab Proがよいでしょう。
■最低動作要件
- 4GB以上のNvidia GPU
- 8GB以上のシステムメモリ
■推奨動作要件
- 6GB以上のNvidia GPU
- 16GB以上のシステムメモリ
RTX1650(4GB)とシステムメモリ16GBの環境で試したところ、画像生成にとても時間がかかりました。最低動作要件でFooocusを動かすのは厳しいと感じたので、推奨動作要件を満たすスペックで試すことをおすすめします。
FooocusをGoogle Colabで動かす
まずは、Google ColabでのFooocusの使い方を紹介します。公式が以下のGoogle Colabを共有してくれていますので、そちらを使いましょう。
左のボタンをクリックすると実行され、以下のようなURLが出てくるのでクリックしてください。

立ち上がりましたー!!

Fooocusをローカル環境で動かす
次に、ローカル環境でのFooocusの使い方を紹介します。ローカル環境に導入する方法は非常に簡単で、まずGitHubのページにアクセスします。

Downloadの見出しにいくと、各OSでのインストール方法の記載を確認できます。
Windows
Windowsにインストールする際は、ディレクトリをダウンロードして、run.batというバッチファイルを起動するだけです。

ローカル環境では初回起動時に自動でSDXL1.0がダウンロードされます。モデル追加を行う場合は、以下のディレクトリに配置しましょう。
・モデル
/(Fooocusを配置したディレクトリ)/Fooocus/models/checkpoints
・LoRA
/(Fooocusを配置したディレクトリ)/Fooocus/models/checkpoints
・VAE
/(Fooocusを配置したディレクトリ)/Fooocus/models/checkpoints
Linux
Linuxにインストールする際は、Anacondaを使用する方法が最も簡単です。以下のコードを実行し、ディレクトリのクローンと仮想環境の設定を行います。
git clone https://github.com/lllyasviel/Fooocus.git
cd Fooocus
conda env create -f environment.yaml
conda activate fooocus
pip install pygit2==1.12.2
続いて、以下のコードを実行することで、モデルを自動的にインストールします。
conda activate fooocus
python entry_with_update.py
これで完了です。どちらも非常に簡単ですね!
なお、超高速で画像を出力できる生成AIについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

MacでFooocusを使う
最後にMacでFooocusを使う方法をお伝えします。まずは仮想環境を作りましょう。
conda create -n name python = 3.11
仮想環境を作ったらアクティベートします。
conda activate name
続いてリポジトリを取得し、ディレクトリに移動します。
git clone https://github.com/lllyasviel/Fooocus.git
cd Fooocus
最後に必要ライブラリをインストール。
pip install -r requirements_versions.txt
これで準備完了です。
実行してみましょう。
python entry_with_update.py
初回はStable Diffusion XLモデルを自動でダウンロードするため、時間がかかります。

ダウンロードが終わるとURLが表示されるので、そちらにアクセスすればFooocusを使うことができます。
私のMacではメモリが8GBしかなく、メモリ不足になってしまい、実行することはできませんでしたが、上記手順でMacユーザーの方はFooocusを使えます。
ちなみに、GitHubに書かれていますが、Macは専用のGPUがないため処理速度は遅いです。(RTX 3000番台の約9倍遅いと記載あり)※1
また、高解像度や長時間生成はPCが重くなる可能性もあります。
Fooocusを実際に使ってみた
ひとまず無難に、以下のようなプロンプトを入力しGenerateをクリック!
Japanese Cute Girl,Black long hair

サンプリング回数は、デフォルトだと30回。2枚の画像を作ってくれるみたいですね。

生成が完了しました!

1枚目

2枚目

FooocusのAdvanced機能を検証
ここからは、ページ下にあるAdvancedにチェックを入れて機能を検証します。

ひとまずSettingタブ上で、以下のように設定してGenerate。
- Performance をQuality
- ネガティブプロンプトに、worst quality,ugly
- Randomのチェックを外す

スピードよりもクオリティを優先したので、サンプリング回数が60回に増えてますね。できあがった画像はこんな感じです!

1枚目

2枚目

次は、Styleも選んでみますか!Styleでは生成する画像のテイストを変更できます。

イラスト調の画像もお手の物!

1枚目

2枚目

「Comic」や「Anime」といったスタイルを選択すると上記のような画像を生成できます。他にもいろいろスタイルがあるので、ぜひ試してみてください!
なお、画像生成AIであるStable Diffusionの生成速度を倍にできるツールについて知りたい方はこちらをご覧ください。

Fooocusの活用事例
Fooocusは難しい設定などが必要ないので、手軽に画像生成を行えます。そうなるとさまざまな場面で活用できるかなと感じています。
例えば以下のような場面です。
- マーケティング素材制作:企業のLPやSNS広告に使うイメージ画像を短時間で生成。外注コストを削減しつつ、スタイル統一された画像を量産することが可能
- Webメディア記事のアイキャッチ:技術系記事やレビュー記事で、Fooocusを使ってオリジナルのアイキャッチ画像を生成。著作権リスクのあるフリー素材を避け、記事に合わせた唯一無二の画像を用意できます。
- プロダクト試作・UIデザイン:新しいアプリUIやインソール製品パッケージのデザイン案をFooocusで自動生成。デザイン段階で複数パターンを短時間に作り出し、A/Bテストや社内検討をスピーディに回せます。
Fooocus自体のライセンスはGPLv3ライセンス。ソフトウェア単体にライセンスは適応されますが、その出力物にはライセンス制約は及びません。そのため、生成された画像に関しては商用利用も可能です。※2
よくある質問
ここからはFooocusを使う上でよくある質問について回答していきます。
Fooocusを使って気軽に画像生成をしよう!
Fooocusは、オフラインで動作するオープンソースの画像生成ソフトウェアです。難しいパラメーターの調整をせずとも、プロンプトの入力をするだけでハイクオリティな画像を生成できます。
導入は非常に簡単で、ローカルだけでなくColab上で動作させることもできるため、スペックが足りないという方も気軽に使用が可能です。実際に使ってみると、簡単なプロンプトを入力するだけで高精細な画像を生成することができ、Advanced機能を使用するとさらに詳細な設定を行って画像を生成できました。
Fooocusは、非常に簡単な導入と使用感で、画像生成AIをもっと身近にするのをコンセプトにしているので、初めて画像生成AIを使う方にはぴったりのツールだと思います!

最後に
いかがだったでしょうか?
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※1:Fooocus