2023年11月に登場したGPTsは、その便利さから医療分野でも活用が広がり、現在はなくてはならないツールになりつつあります。
この記事では、医師や医療従事者の皆さんの業務をサポートするGPTsを10個ご紹介します。使いやすさ、わかりやすさ、そして情報の正確性を基準に厳選しました。AIがどのように医療をサポートするのか、ぜひ最後までご覧ください。
\生成AIを活用して業務プロセスを自動化/
- GPTsの活用事例【医療編】
- 【Medical Expert】症状に見合った最新の治療情報を提供
- 【Medical English News Teacher】医学界の最新情報を提供
- 【StepWiz】先生がテストを作るのに使えるGPTs
- 【Sclepios IA Analyze D Ordonnance】処方剤に関する質問に答えてくれる
- 【Aikuraku】医療分野の書類管理の効率と改善に貢献
- 【Sclepios I A Reviser Qcm】内科専門のクイズを作成するGPTs
- 【MediReview Assistant】医療従事者の情報収集に役立つGPTs
- 【Lab Doctor】数値検査系で異常発見に役立つGPTs
- 【Medical Genius】歯科専門家に向けたアシスタントするGPTs
- 【PubmedGPT】文献を参照して要約してくれるGPTs
- 【医療編】GPTs活用事例のまとめ
- 最後に
GPTsの活用事例【医療編】
医療従事者向けとして公開されているGPTsは多数ありますが、今回は下記の10個をご紹介します。
- Medical Expert
- Medical English News Teacher
- StepWiz
- Sclepios IA Analyze D Ordonnance
- Aikuraku
- Sclepios I A Reviser Qcm
- MediReview Assistant
- Lab Doctor
- Medical Genius
- PubmedGPT
まずは「Medical Expert」から解説します。
【Medical Expert】症状に見合った最新の治療情報を提供
「Medical Expert」は医学に関する情報を返答するGPTsです。参照する情報は、ウェブ上で公開されている文献、論文、医師サイトなどです。このGPTsは安全性と信頼性の高さを強みとしており、ChatGPTが抱える問題であるAIが事実に基づかない情報を生成するハルシネーションをできる限り起こさないように留意しています。
筆者もお医者さんに聞きたいことがあったので、実際に使ってみました!

調べたら出てきそうな一般的な答えですが、わかりやすくまとまっていて、しかも原因を教えてくれるのはとてもありがたいですね!とはいえ、命に関わるような深刻な問題を聞くのは怖いので、あくまで一つの情報源としておくのが今はよいかもしれません。
【Medical English News Teacher】医学界の最新情報を提供
「Medical English News Teacher」は、医学界の最新ニュースを伝えてくれます。医学界のヤフーニュース、LINEニュースのようなものです。実際に使ってみました。今回は、シンプルに今日の医療関係のニュースを聞いてみています。

20秒から30秒くらいで、上記画像の情報を出してくれました。しかもその情報を出すのに参照した情報サイトのGPTsのリンクを掲載してくれていますね!これは素晴らしい!偽物の情報ではないことを示すソース元まで示してくれるのは、利用者として安心できます。
忙しくて情報を追えない医学生や先生は、ぜひ「Medical English News Teacher」を一度利用して、その便利さを実感してみてください。
【StepWiz】先生がテストを作るのに使えるGPTs
「StepWiz」は医学生や看護学生向けのGPTsです。医学生や看護学生たちが勉強で疑問に感じた部分、テストで間違えた時の復習に使えます。どの程度の問題が出題されるか調べるため、実際に使ってみました。

テスト問題としては拙い内容かもしれませんが、「StepWiz」を使えばご紹介した画像のような問題が数十秒で作れます。テスト問題を参考書から抜き出したり、オリジナルで作るのは大変ですので、先生におすすめのGPTsですね!
【Sclepios IA Analyze D Ordonnance】処方剤に関する質問に答えてくれる
「Sclepios IA Analyze D Ordonnance」は薬剤に関する質問に答えてくれるGPTsです。先週から食生活が乱れた結果、口元にニキビができてしまいましたので、どんな薬が効果的か質問してみました。

返答が来るまでには40秒から1分くらいかかりました。早さとしては普通くらいでしょうか。返答された内容も、以前、皮膚科を受診した際に先生から教えてもらった通りの内容です。
このGPTsの情報源は、フランスの公的医薬品機関などを参照しているため、信頼性も高く評価できます。しかし「Medical Expert」と同じく、今の段階では参考情報程度に留めておくのがいいでしょう。
【Aikuraku】医療分野の書類管理の効率と改善に貢献
「Aikuraku」は医者と患者の音声を入力すると、SOAP形式で記録して出力し直してくれるGPTsです。SOAP形式というのを知らないため、早速、実例と共に教えてもらうことにしました。

返答をもらって思い返すのは、以前、入院した病室で先生と会話した時のシーンです。その時に話した内容の中に、今回「Aikuraku」が実例で示してくれた内容と一致しているのですが、その会話内容をSOAPと定義できるのは、初めて知りました。
このGPTsは、特にスマホやタブレットの扱いがわからないご年配の方々の役に立てるものだと思います。また、開業医の方、大学病院に勤務される先生の方にも、おすすめできるGPTsです!ぜひご活用ください。
【Sclepios I A Reviser Qcm】内科専門のクイズを作成するGPTs
「Sclepios I A Reviser Qcm」は「StepWiz」に近いですが、内科に特化した上で研修医レベルの問題を用意してくれます。研修医向けレベルということで、実例の時点で難しそうですが、どんな物を出題してみるか試してみましょう。

関連が深そうなB、C、Dの3つを答えてみました。なんと見事正解です。正解すると褒めてくれるため、正解すれば正解するほど、どんどんやる気が漲ってしまうでしょう。

ちなみに問題を間違えると、「Sclepios I A Reviser Qcm」が具体的な内容と共に正解を優しく教えてくれます。まるで小さな家庭教師のようです。楽しみながら勉強ができるので、ぜひ内科医を目指す方、研修医の方々は導入してみてください。
なお、医療現場での生成AI活用についてより詳しく知りたい方は、下記の記事も合わせてご確認ください。

【MediReview Assistant】医療従事者の情報収集に役立つGPTs
「MediReview Assistant」は、医学分野の文献レビューを抜粋するGPTsです。
このGPTsは健康や医学に関する質問に関して、信頼できる情報源から答えを見つけ出してくれます。
- 米国国立医学図書館のデータベース
- Googleが提供する学術検索エンジン
- 専門的な学術雑誌ウェブサイト
- 大学や研究機関のライブラリサイト
これらの情報源は、権威があり、エビデンスに基づいた知識を提供するため、信頼性はとても高いです。例えば、ダイエット方法として先生たちでも意見が分かれる「糖質制限」について、最新の文献ではどのように評価されているか尋ねてみました。

かなり具体的な内容で返答してくれましたね。日本語の要約としても、無理なく、わかりやすい表現に翻訳されていると感じます。
また、情報の参照元は1つとは限らず、内容を要約する際に複数の出典元から引用をしてくれるようです。とてもわかりやすく丁寧に翻訳もされているため、知らないことを調べる際に真っ先に使えそうなGPTsですね。
医学生が論文を執筆する際、参照元を探したり、引用文献を探す時に役立つでしょう。
【Lab Doctor】数値検査系で異常発見に役立つGPTs
「Lab Doctor」はレポートに書かれている数値を読み取り、診断を受けた人の異常を探すサポートをしてくれるGPTsです。主に血液検査、腎機能検査、肝機能検査に強いと自称していました。実例を見せてもらうため、早速GPTsにプロンプトで命令してみましょう。

献血や健康診断で採血をした時に見られる血液の数値ですね。30代以上の方であれば、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。しかし血液検査だけで異常が割り出せる病気は多くありません。診断ミスが起きたら取り返しがつかないため、あくまで情報源の一つに留めて置くのが良いでしょう。
今後、血液検査のデータと連動してリアルタイムで数値が弾き出されたりすれば、導入する先生が出てくるかもしれませんね。
なお、医療特化型オープンソースAIの実際の活用事例やその注意点について興味がある方は、こちらの記事をご覧ください。

【Medical Genius】歯科専門家に向けたアシスタントするGPTs
「Medical Genius」は歯科専門家のアシスタントとして役立つGPTsです。患者の状態を「Medical Genius」に提示すると、病状の候補をリストアップし、治療オプションまで教えてくれます。
どんな病状を教えてくれるのか、プロンプトで命令して聞いてみました。

口の中の症状一つで、これだけ多くの病気が疑われるとは初めて知りました。
「Medical Genius」も他の病状を推測するGPTsと同様に、一つの意見として留めておくくらいが丁度良さそうです。GPTsを使った症例診断は、まだまだ精度に欠けています。今後はさらに患者データが集まり、解析が進めば精度も上がることが期待されます。
【PubmedGPT】文献を参照して要約してくれるGPTs
「PubmedGPT」は「MediReview Assistant」と同じく、質問した病状に対する最新の治療や症例を文献と共に提示するGPTsです。精度は他2つと変わりなく、権威性と信頼性を重視した内容を返してくれます。今回は、友人が食中毒にかかったことを思い出し、関連があるギランバレー症候群に関する情報を質問してみました。

質問に対する返答は1分くらいかかりましたが、それだけ大量の文献をサーチしていたと考えると、かなり優秀なGPTsではないでしょうか。
なお、医療AIについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

【医療編】GPTs活用事例のまとめ
Medical Expert | 症状に見合った最新の治療情報を提供 |
---|---|
Medical English News Teacher | 医学界の最新情報を提供 |
StepWiz | 医療系のテストを自動生成 |
Sclepios IA Analyze D Ordonnance | 処方剤に関する質問に回答 |
Aikuraku | 医療分野の書類管理の効率と改善に貢献 |
Sclepios I A Reviser Qcm | 内科専門のクイズを作成 |
MediReview Assistant | 医療従事者の情報収集に貢献 |
Lab Doctor | 数値検査系で異常発見が得意 |
Medical Genius | 歯科専門家に向けた病状を教える |
PubmedGPT | 文献を参照して要約する |
医療分野でのGPTsの利用には、医学界の最新ニュースを追うことや、重要な文献を探し出すなどがあります。これにより、医師や研究者は、必要な情報を素早く手に入れられるようになりました。
しかし、GPTsを使って病状を特定することには、まだ注意が必要です。特に複雑な病状や珍しい症例に関しては、現在の技術では完全な正確性を保証できないため、情報の解釈には慎重になる必要があります。
GPTsの将来性は高いため、ぜひアップデートでどんどん精度を高めてもらいたいですね!

最後に
いかがだったでしょうか?
医療現場特有の業務負担を軽減しつつ、正確で効率的な情報活用を可能にするGPTs導入の最適解を明確にできます。
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【監修者】田村 洋樹
株式会社WEELの代表取締役として、AI導入支援や生成AIを活用した業務改革を中心に、アドバイザリー・プロジェクトマネジメント・講演活動など多面的な立場で企業を支援している。
これまでに累計25社以上のAIアドバイザリーを担当し、企業向けセミナーや大学講義を通じて、のべ10,000人を超える受講者に対して実践的な知見を提供。上場企業や国立大学などでの登壇実績も多く、日本HP主催「HP Future Ready AI Conference 2024」や、インテル主催「Intel Connection Japan 2024」など、業界を代表するカンファレンスにも登壇している。