”超天才”だったのか!?大学から「名誉学位を授与された猫」ってどんな猫?

ストレス

大学の卒業式では、通常、長い年月をかけて努力してきた学生たちに学位が授与されます。

時には、特別な貢献を讃えて、大学が”名誉学位”を授与することもあります。

そして非常に稀なケースも存在します。

アメリカのある地域でその名誉学位を手にしたのは、なんと一匹の猫でした!

バーモント州立大学キャッスルトン校で名誉学位を授与された猫”マックス”。

彼は一体どんな猫だったのでしょうか?

学位を取得するほどの”超天才”だったのでしょうか!?

目次

  • 大学の近くに住む猫「マックス」は大学の人気者
  • 名誉学位を授与された猫マックス――癒しの天才だった

大学の近くに住む猫「マックス」は大学の人気者

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大学の近所に住む猫マックス / Credit:Vermont State University

猫のマックスが名誉学位を受け取るまでの道のりは、一般的な学生たちとはひと味違いました。

彼がバーモント州立大学キャッスルトン校にやってきたのは学位授与から4年前。

もともとは大学の近所に住むアシュリー・ダウ氏の飼い猫として快適な生活を送っていました。

しかし、好奇心旺盛な性格ゆえ、次第に自宅だけの生活では満足せず、家を抜け出しては大学キャンパスを探索するようになったといいます。

徐々に学生たちとも打ち解け、彼は大学のマスコット的存在になっていきました。

キャンパス内でマックスを見かけない日はないほど。

授業を受ける学生の隣に座ったり、イベントに顔を出したり、時には図書館にも顔を出していたそうです。

彼にとって大学は”自分の縄張り”になっていたのでしょう。

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学生たちを歓迎し癒すマックス / Credit:Vermont State University

学生の1人はマックスに対して次のように述べています。

撫でて、軽くハグしてあげます。いつもフレンドリーですごく優しいんです

また別の学生によると、マックスは入学希望者や訪問者に対するキャンパスツアーのハイライトになることもあるそうです。

入学担当のディレクターも、「彼はほとんどのゲストに対して挨拶しに来てくれます。ツアーが始まると大抵一緒についてくるんです」とマックスの働きっぷりを誉めています。

このように、大学の近所に住む猫マックスは自然にコミュニティに溶け込み、学校全体の一員のように扱われていきました。

そしてマックスが大学に通い出してから4年後、大学側はあることを決意します。

名誉学位を授与された猫マックス――癒しの天才だった

2024年の卒業式のこと。

大学側は、卒業生の大きな門出に際して、マックスの存在がどれほど人々の支えになってきたかを称え、公式な”学位授与”という形で彼への感謝を示しました。

なんとマックスは、人間の卒業生たちが学位を授与される中、自身もネコでありながら、名誉学位を授与されたのです。

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“Doctor of Litter-ature”というダジャレ学位が授与される / Credit:Vermont State University

ちなみに、マックスに授与されたのは”Doctor of Litter-ature“(litter=ごみ、literature=文学にかけたダジャレ学位)でした。

「cat litter」といえば「猫砂(ネコの飼育に用いられる排泄用の砂)」のことであり、マックスには、なんとも粋で、ピッタリな称号が与えられたことになります。

マックスが特製の角帽を身に着けた画像も作成され、彼は、堂々と”卒業”を果たしたのです。

もちろん卒業した後もマックスは大学に留まっており、引き続き学生たちに愛を振りまいています。

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名誉学位を授与されたマックス / Credit:Vermont State University

今回の出来事は単なる”微笑ましいニュース”に留まりません。

よく考えてみれば、マックスの存在は大学コミュニティにとって多くの意義を持っていました。

1. 精神的な支え

大学生活は楽しいだけでなく、試験や就職活動などストレスの多い時期でもあります。

そんな中、マックスは学生たちにとって無言のセラピストでした。

彼に触れることで心がほぐれ、孤独感や不安を癒す役割を自然と担っていたのです。

2. 地域とのつながり

マックスの存在は大学と地元住民をつなぐ”象徴”にもなりました。

学生だけでなく、地域住民も彼の存在を知り、親しみを感じることで、大学と街の間に温かな交流が生まれました。

3. 多様な価値観の尊重

“学位”といえば普通は何年もの学びの末に得るものですが、ここでは”癒し”や”存在そのもの”が称賛されました。

この考え方は、多様な才能や個性を認め合う時代の象徴ともいえるでしょう。

日常生活でも、私たちは”役に立つ”ことばかりを重視しがちですが、ただそこにいるだけで人を幸せにする存在――そんな価値にももっと目を向けてもいいのかもしれません。

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マックスは癒しの”超天才”だった / Credit:Vermont State University

マックスに続く”名誉学位キャット”がこれから世界中に現れるかは未知数ですが、少なくともキャッスルトン校の人々にとって、彼は永遠に”学位を持つ猫”として記憶されるでしょう。

マックスは”超天才”な猫だから名誉学位を授与されたのでしょうか。

そうかもしれません。

確かに彼は、周囲に癒しを与える”超天才”でした。

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参考文献

Vermont State University
https://www.facebook.com/VermontStateUniversity/posts/425448673574050?ref=embed_post

Community cat earns honorary ‘degree’ from Castleton
https://www.wcax.com/2024/05/15/community-cat-earns-honorary-degree-castleton/

ライター

大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。

編集者

ナゾロジー 編集部

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