【問い合わせ革命】生成AIでお問い合わせ対応を自動化する方法!メリットや導入手順も徹底解説

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押さえておきたいポイント
  • 生成AIなら社内・社外の問い合わせ対応を自動化できる
  • 問い合わせの自動化は業務効率向上と顧客満足度向上に効果がある
  • 生成AIによるお問い合わせの自動化は事前準備や継続的な改善が重要

顧客から自社の製品やサービスについての問い合わせが入ると、その対応に多くのリソースが割かれてしまいます。企業の信頼や顧客満足度に関わるため丁寧な対応が必要な一方、本来注力すべき業務に時間を充てられないという課題を抱えている方も多いのではないでしょうか。

近年、生成AIの登場でこの状況を改善できる可能性があります。ChatGPTなどの生成AIは、情報の要約や自然なテキスト生成が得意で、問い合わせ対応の現場では作業の自動化などの事例が増えています。

この記事では、生成AIによるお問い合わせの自動化について、メリットや具体的な事例、注意点まで詳しく解説します。業務効率化に向けた生成AIの導入・活用法が見えてくるでしょう。

\生成AIを活用して業務プロセスを自動化/

  1. 生成AIによるお問い合わせ対応が注目されている理由
    1. 問い合わせ業務は多くの課題を抱えている
    2. 生成AIの進化でFAQ自動生成やナレッジ活用が可能に
  2. 生成AIがお問い合わせ対応でできること
    1. FAQの自動作成・返信の自動化
    2. メール返信文の自動生成
    3. 社内問い合わせの自動化
  3. 生成AIでお問い合わせ対応を自動化するメリット
    1. 業務効率の向上
    2. ナレッジの蓄積
    3. 多言語対応が可能
    4. 24時間365日対応可能
    5. コストの削減
  4. 生成AIを使ったお問い合わせツール・システムの比較5選!
    1. PKSHA AI ヘルプデスク
    2. AIさくらさん
    3. 接客オンデマンドAI
    4. ミライAI
    5. Helpfeel
  5. 生成AIお問い合わせシステムの導入ステップ
    1. ステップ①問い合わせデータ・FAQの整理
    2. ステップ②PoCで効果とリスクを測定 
    3. ステップ③本番運用
    4. ステップ④問い合わせデータを蓄積し継続的に改善
  6. お問い合わせ対応を生成AIで自動化した事例
    1. 事例①東京メトロ
    2. 事例②トランスコスモス
    3. 事例③島村楽器
    4. 事例④株式会社アマダ
    5. 事例⑤日本ベルックス株式会社
  7. お問い合わせからメール送信までを自動化した「AIメール」
  8. 生成AIでお問い合わせ対応を自動化する際の注意点
    1. ハルシネーションの発生リスク
    2. 情報漏洩のリスク
    3. 生成AIだけでは完全に対応できない
    4. 導入後の運用体制が不十分だと回答精度が落ちやすい
  9. お問い合わせ対応に生成AIを活用して効率化を達成しよう
  10. 最後に

生成AIによるお問い合わせ対応が注目されている理由

企業の問い合わせ対応は、顧客満足度を左右する重要な業務でありながら、「属人化」「人手不足」「応対品質のバラつき」など多くの課題を抱えています。

こうした状況を背景に、生成AIを活用した問い合わせ対応の自動化が急速に注目されているのです。生成AIは、高度な言語理解やナレッジ活用を通じて、従来のチャットボットでは難しかった複雑な質問にも柔軟に応対できるようになりました。

問い合わせ業務の効率化と顧客体験の向上を同時に実現できる点が、企業が生成AI導入を検討する大きな理由です。

問い合わせ業務は多くの課題を抱えている

社内外からの問い合わせに対して、必要な情報を短時間で収集・整理し、分かりやすく回答できる体制が理想です。これまでは、人材のスキルや知識に頼っていたり、対応マニュアルを用意したりする例が一般的でした。

しかし、働き方改革の推進やグローバル化が進むビジネス環境において、人材育成やマニュアル整備などのこれまでの手段だけでは幅広い問い合わせに迅速かつ正確に答えるのは難しくなっています

そこで注目されているのが「生成AIによるお問い合わせの自動化」です。例えば、AIがテキストや音声によるお問い合わせを読み取り、適切な内容を自動で回答することが可能です。

AIモデルによる関連データの迅速な学習と自然な回答文の生成、言語にとらわれない回答など、多様化する問い合わせへの回答に役立つでしょう。

生成AIの進化でFAQ自動生成やナレッジ活用が可能に

近年の生成AIは、人間に近いレベルで文脈を理解し、膨大な情報を使って最適な回答を導き出せるほど精度が向上しています。

この進化によって、従来のルールベース型チャットボットでは難しかったFAQの自動生成ナレッジベースの活用が実用レベルで可能になりました。

特に、過去の問い合わせ履歴やマニュアル、商品説明などの社内文書を生成AIに学習させることで、FAQを自動で作成・更新できる点は大きなメリットです。

また、生成AIはナレッジを横断的に検索し、質問の意図を理解したうえで必要な情報を自動で統合できます。そのため、「複数の資料を参照しないと答えられない質問」や「説明の組み立てが必要な質問」にも高精度な応対が可能です。

なお、AIチャットボットについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

生成AIがお問い合わせ対応でできること

生成AIを導入することで、従来は人間が担当していた問い合わせ業務の多くを自動化できるようになりました。ここでは、お問い合わせ対応における生成AIの代表的な活用パターンを紹介します。

FAQの自動作成・返信の自動化

生成AIを活用したFAQボットは、FAQを事前に自動生成したり、顧客からのよくある質問に対して自動で回答できます。

過去の問い合わせ履歴やマニュアルを学習させることで、高精度な回答が可能になるため、担当者の一次対応負荷を大幅に軽減可能です。

問い合わせたユーザーもすぐに回答を得られるため、回答待ちによるストレスもありません。

メール返信文の自動生成

生成AIは、顧客や取引先へのメール返信も自動化可能です。問い合わせ内容に応じて適切な文章を生成し、必要に応じて定型文をカスタマイズできます。

担当者は修正や確認に集中できるため、業務効率が向上するだけでなく、統一感のある対応によって顧客体験も向上します。

社内問い合わせの自動化

生成AIは社内の問い合わせ対応にも有効です。総務や情報システム部門へのよくある質問を生成AIが受け付け、自動で回答することで、担当者の負荷を軽減できます。

社内問い合わせの代表例

  • 社内システムの操作方法
  • 勤怠について
  • 福利厚生について

社内問い合わせの定型化された質問を生成AIが処理することで、社員の待ち時間も短縮され、業務全体の効率化につながります。

生成AIでお問い合わせ対応を自動化するメリット

問い合わせの対応に生成AIを活用すると、企業と顧客双方にさまざまなメリットがあります。また、顧客だけでなく、社内のやり取りでも上手く活用することで効率化を達成できるはずです。

ここでは、生成AIによる問い合わせ対応自動化の主要なメリットを5つ紹介します。

業務効率の向上

社内外からの問い合わせを人間ではなく生成AIで行えば、従業員を別の作業に充てられます。少子高齢化社会における人材難への適応や働き方改革などが求められる中、企業はあらゆる場面で効率化を図らなくてはなりません。

新しい人材を雇って社内情報や製品・サービス情報を学び、迅速に要点を説明できるようになるには長い時間がかかります。

しかしAIは、人間よりはるかに速いスピードで学習でき、要約も得意です。人間にしかできない仕事に人材を投入すれば、企業全体の業務効率向上につながるでしょう。

また、生成AIは常に一定品質で回答できるため、担当者による回答のばらつきを防止し、問い合わせ全体の品質を均一化できます。

ナレッジの蓄積

顧客から問い合わせが入る理由は、使い方などの製品やサービスに関する情報が不足している、不満を感じていることなどが一般的です。一つひとつの問い合わせに対して回答するだけでは、個別の問題解決で終わってしまいます

しかし、生成AIなら問い合わせ履歴からよくある質問を自動抽出したり、既存マニュアルや社内文書を統合してFAQを自動更新したりできます。手動では難しかったナレッジ管理の効率化と属人化の解消が同時に進みます。

多言語対応が可能

サプライチェーンのグローバル化やITインフラの世界的な普及などにより、ビジネスを成長させるために海外の顧客やサプライヤーとの折衝の機会も増えています。そこで問題となるのが言語の壁です。

海外に製品を出荷していれば、海外の顧客から問い合わせが入り、その言語もさまざまです。多言語に対応できる人材も少ないため、翻訳サービスを利用して回答しているケースもあるでしょう。

生成AIは、言語の翻訳を得意としています。英語や日本語など世界の主要な言語であれば、人間が話すような自然な文章を瞬時に生成可能です。

多言語でのやりとりが可能な生成AIの導入で、これまでより多くの国に進出できるようになります

24時間365日対応可能

人材を雇用して問い合わせに対応する場合、勤務時間の制約によって一般的には平日日中の時間帯のみ受け付けています。夜間や休日に聞きたいことがあっても、翌営業日まで待たなくてはなりません。

一方、生成AIには勤務時間の制約はありません。システムが正常に稼働している限り、24時間365日休むことなく働き続けることが可能です。問い合わせへの自動化ができれば、時間帯を気にせず顧客はいつでも聞きたいことを問い合わせできます。

特にECサイトでは、即時回答が購買・契約の意思決定を後押しし、売上への貢献も可能です。

コストの削減

問い合わせ対応のためにコールセンターなどを設置する場合、複数の専門スタッフの配置や回線や端末の準備などの費用がかかります。

従来のコールセンターは問い合わせ件数に応じてコストが変動しますが、生成AIは問い合わせの増減に影響されません。繁忙期だけ人員を増やす必要もなく、長期的には大幅なコスト削減が可能です。

システムを構築する際に費用と労力を要しますが、生成AIによる自動化はナレッジの蓄積や要約にも使えるため、問い合わせ対応だけでなく新しい価値創造のための投資とも言えます。

生成AIを使ったお問い合わせツール・システムの比較5選!

スクロールできます
ツール名料金用途
PKSHA AI ヘルプデスク要問い合わせ社内問い合わせ対応
AIさくらさん要問い合わせ(初期費用+月額)社内・社外問い合わせ/電話対応/アバター接客など
接客オンデマンドAI要問い合わせ音声チャットによる社外問い合わせ対応
ミライAISTART:月額500円
BASIC:月額4,980円
PRO:月額30,000円
LITE:月額2,980円
電話による社外問い合わせ対応
Helpfeel要問い合わせ(初期費用+月額)社外向けFAQ作成・回答
生成AIを使ったお問い合わせツール・システムの一覧

生成AIを使ったお問い合わせツール・システムの多くは、事業規模や導入用途によって料金が異なるため、問い合わせなければ具体的な料金がわかりません。

以下では、各ツール・システムの特徴や用途を比較しながら、詳細を紹介します。

PKSHA AI ヘルプデスク

参考:https://aisaas.pkshatech.com/ai-helpdesk/

PKSHA AI ヘルプデスクは、社内問い合わせ対応を自動化できるAIヘルプデスクです。

生成AIによる自動回答と有人回答を使い分けることで、社内の困りごとを効率よく解決できます。有人対応ログは分析して企業ナレッジとして蓄積されていくため、生成AIが自社仕様に育っていくのもポイントです。

電話・メール・チャットなどのチャネルをMicrosoft Teams上に集約することで、問い合わせ対応の一元管理もできます。

社内問い合わせが多いことで業務に支障をきたしているなら、ぜひPKSHA AI ヘルプデスクの導入を検討してみてください。

AIさくらさん

参考:https://www.tifana.ai/

AIさくらさんは、対話型生成AIを活用したチャットボット兼AIアシスタントです。電話対応・チャット対応・社内問い合わせ・アバター接客など、多様な用途に対応できます。

なお、特許技術とISO認証を取得していることから、品質や信頼性については申し分ありません。

社内問い合わせやカスタマーサポートをはじめ、1つのツールで多種類の問い合わせ対応を自動化したい企業におすすめです。

接客オンデマンドAI

参考:https://sdai.bemotion.jp/

接客オンデマンドAI は、店舗やウェブサイトでの顧客対応を24時間生成AIで自動化するソリューションです。チャット形式だけでなく、音声での応答にも対応しています。

なお、学習能力や提案力が高く、ユーザーに寄り添って対応できるのが特徴。

そのため、店舗や施設で人材が不足していたり、ECサイトやWEBサイトを効率的に運用したい企業におすすめです。

ミライAI

参考:https://www.miraiai.jp/

ミライAIは、電話対応を生成AIで自動化できるサービスです。電話の取り次ぎや折り返しができるほか、簡単な質問への回答もできます。

取り次ぎ・折り返し・FAQなどでは、設定したシナリオに沿って対応するのがポイント。BASICやPROプランなら、電話フローをノーコードで自由にカスタマイズできます。

プランが複数あるので迷いやすいですが、一般的な企業ならBASIC、頻繁に電話対応するならPROプランがおすすめです。

Helpfeel

参考:https://www.helpfeel.com/lp

Helpfeelは、「意図予測検索」やAIドラフト生成など、ナレッジベースを高度に活用しながら問い合わせ対応を効率化するプラットフォームです。

顧客向けFAQだけでなく、社内のナレッジ共有にも対応できます。

特に、特許技術の「意図予測検索」では、ユーザーのあいまいな言い回しや間違った表現からも正しい情報を提示できるのが特徴。

独自開発した検索エンジンを採用しているので、検索結果の表示速度も高速です。FAQの自動作成にも対応しているので、FAQを作成する段階でつまづいている企業は、ぜひ導入を検討してみてください。

生成AIお問い合わせシステムの導入ステップ

生成AIを活用した問い合わせシステムを導入する際は、単にツールを導入するだけでは効果を最大化できません。事前準備から本番運用、継続的な改善まで、段階的にステップを踏むことが成功の鍵となります。

ステップ①問い合わせデータ・FAQの整理

問い合わせシステムを導入する際の最初のステップは、既存の問い合わせデータやFAQの整理です。以下の情報を整理してナレッジベースを構築することで、生成AIが正確で的確な回答を生成できる基盤が整います。

整理する情報

  • 過去の問い合わせ内容
  • 対応履歴
  • マニュアル
  • 製品情報

この段階では、情報の重複や古い情報を整理し、カテゴリ分けやタグ付けを行うことが重要です。

また、ナレッジの粒度や表現方法を統一することで、生成AIの学習効率が向上し、回答の精度や信頼性も高まります。

ステップ②PoCで効果とリスクを測定 

本格導入の前には、小規模なPoC(概念実証)を行い、生成AIによる問い合わせ対応の効果とリスクを事前に確認します。

実際の問い合わせデータの一部を使って運用テストを行うことで、「どこまで自動化できるか」「誤回答が起きやすい領域はどこか」といったポイントを可視化できます。

PoCでは、回答精度・工数削減率・ナレッジ反映のしやすさ・担当者の負荷など、複数の定量・定性指標を用いて評価することが重要です。

また、誤回答や想定外質問にどう対処するかといったリスク管理もこの段階で確認しておくことで、安心して本番運用に移行できます。

ステップ③本番運用

PoCで効果が確認できたら、本番環境での運用に移行します。本番運用では、生成AIが自動対応する領域と有人対応へ切り替える基準を明確にし、業務フローとして定着させることが重要です。

生成AIが回答に迷ったケースの対応やナレッジの更新、例外処理などは人間が担います。

回答の自動化率や誤回答率、利用者満足度などを定期的にモニタリングしながら、担当チームが月次で改善を行うことで、運用の安定性と精度が高まります。

ステップ④問い合わせデータを蓄積し継続的に改善

生成AIで問い合わせ対応を自動化するうえで重要なのが、日々の問い合わせデータを蓄積し、定期的に分析して改善を重ねることです。

収集するデータ例

  • ユーザーがどの質問で離脱しているのか
  • 意図通りの回答ができていない部分はどこか

上記を把握することで、回答精度の向上やFAQの追加、プロンプト調整などの改善が可能になります。

データを基に改善を繰り返すことで、利用者の満足度が向上するだけでなく、オペレーターの負担軽減や対応コスト削減も可能です。

なお、生成AIへの質問例(プロンプト例)が知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

お問い合わせ対応を生成AIで自動化した事例

事業の規模が拡大するにつれて、顧客や支店からの問い合わせは増加します。コールセンターなど専用の対応部門を設置している企業もありますが、規模の大小にかかわらず現場にかかる負担は大きいと思います。

しかし最近は、生成AIを活用して効率化や顧客満足度の向上を図る事例が増えてきました。ここでは、代表的な事例を紹介します。

事例①東京メトロ

参考:https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS04289/8c6ad33e/e0c8/4d78/99f3/abaa0fff26df/20241219113538456s.pdf

東京での生活や旅行において欠かせない移動手段である東京メトロは、9路線195kmの線路と180もの駅を有しています※1。

2023年度の1日平均輸送人員は652万人にも上り、観光客の増加などで増加し続けています※2。

東京メトロを運営する東京地下鉄株式会社のお客様センターは、年間約25万件に及ぶ問い合わせの電話と約10万件のメールに対応しています。しかし、回答に時間を要したり、複数回の確認の連絡を取ったりするなど迅速な回答ができていない事例がありました。

そこで、Allgenize Japan株式会社の協力を受け、生成AIを使ったチャットボットの提供を2024年11月から開始しています。チャット形式による問い合わせへの迅速化に加え、受信したメールの内容把握や返答案の作成を自動で行う社内向けのサービスを導入しました。

事例②トランスコスモス

参考:https://www.trans-cosmos.co.jp/company/news/240808_0001.html

マーケティングやコールセンター事業、デジタル化など企業の活動を多面的に支援し、幅広い業界でビジネスプロセスの改善をサポートするトランスコスモスでは、生成AIを活用した新たなサービスを開始しました。

トランスコスモスのコールセンターサービスでは、これまで3,000社以上の顧客対応オペレーションを支援した実績があり、蓄積したノウハウを基にコールセンターの設計から構築、運用サービスを提供しています。

コンタクトセンターの管理者は、会話ログの分析や新人オペレーターの教育など、種類の異なる多様なタスクを抱えており、負担が大きいことが課題です。生成AIを活用することで、コールセンターの現場マネジメントにかかる工数を削減でき、顧客満足度の向上につながる業務に専念できるようになります

これまで導入してきた感情解析、会話自動チェック、品質モニタリング、対話要約、トーク解析、VOC分析などの機能に加え、生成AIにより新人教育の短縮化や品質強化などの実現が可能です。※3

事例③島村楽器

参考:https://www.shimamura.co.jp/corporate/outline/index.html

音楽教室や楽器販売などのサービスを展開する島村楽器株式会社は、1962年の音楽教室設立以来成長を続け、2024年2月時点で39都道府県、179か所の事業所を設置しています。※4

新規に開設された店舗では、スタッフから東京本社へさまざまな問い合わせが入ります。支店数が多くなるほど問い合わせ数も増えるため、双方が事業を円滑に行うには担当者間の負担を軽減し、コミュニケーションを効率化する必要がありました。

そこで、生成AIを利用したチャットボット「OfficeBot」を導入しました。支店のスタッフが本社に電話を掛ける前にOfficeBotを利用するようになり、ある部門では週に95%もの問い合わせが導入前後で削減されています。※5

事例④株式会社アマダ

株式会社アマダ
参考:https://www.ctc-g.co.jp/report/case-study/amada2/

金属加工機械のグローバルメーカーである株式会社アマダは、生成AI搭載型チャットボット「Benefitter」を使って、社内問い合わせの自動化を実現しています。※6

同社は元々、社内でITに関する問い合わせ対応の負担が大きく、問い合わせの電話が1日当たり100件~200件もきていました。

そこで「Benefitter」を導入したところ、ITヘルプデスク業務の負担が軽減され、2025年6月時点では自動応答システムの利用が月間700件を超えているとのことです。

また、同社の場合は「Benefitter」経由でGoogleドライブ上の全てのドキュメントにアクセスできるようにすることで、アクセス管理も一元化しています。

事例⑤日本ベルックス株式会社

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000183.000018339.html

日本ベルックスは、生成AIチャットボット「SELFBOT」を導入することで、コーポレートサイト経由の問い合わせ対応を自動化しています。※7

同社は元々、社外からの問い合わせに対して、従来のFAQ型やシナリオ型のチャットボットでは対応が難しく、社内での対応負荷の高さを課題に感じていました。

そこで、社内データを学習しただけで高精度で自動応答できる「SELFBOT」の実用性に目をつけ、コーポレートサイトへの導入に至っています。

導入後もすぐに実用的な回答を得られていることに満足していますが、今後も実際の利用データを活用しながら、回答精度を高めていくとのことです。

お問い合わせからメール送信までを自動化した「AIメール」

弊社WEELでは、実際にお問い合わせ業務の効率化を追求した「AIメール」を開発し導入しています。※8

このシステムは、問い合わせ内容の把握から企業の調査、回答までのプロセスを自動で行うため、お問い合わせにすぐに対応することが可能です。

これまでオウンドメディアからAI活用事例に関する問い合わせメールを受信すると、その回答に一件当たり約20分から30分もの時間を要し、営業担当者の業務を圧迫していました。AIメールの導入によりこの時間を5分まで短縮でき、業務効率化に大きく貢献しています。

AIメールは、問い合わせ元の企業情報をウェブ上で収集し、ニーズに合った最適な提案内容を含めたメール文を作成可能です。2024年12月時点ではβ版であり、今後も改良を続けて質の高いツールとしてお客様の業務効率化に貢献します。

生成AIでお問い合わせ対応を自動化する際の注意点

生成AIにはさまざまな特徴があり、使い方によってはマイナスの影響を大きく受けるリスクがあります。ここでは、問い合わせ対応を生成AIで自動化する際の注意点を3つ紹介します。

生成AIが、自社のビジネスへ与えるリスクを事前に認識しておきましょう。

ハルシネーションの発生リスク

生成AIのビジネスでの活用を躊躇してしまう要因のひとつは「ハルシネーション」の発生です。ハルシネーションとは、生成AIが事実とは違う誤情報や現実には存在しない空想の話を出力する現象を意味します。

ハルシネーションを発生する要因は、AIモデルの学習データに誤った情報が含まれているなどいくつかありますが、全てを避けることは現時点では困難と言われています。

ハルシネーションによる判断ミスを防ぐには、事前に生成AIの特徴や使い方に合った防止策を検討しましょう。発生リスクを最小限に抑える取り組みが欠かせません。

情報漏洩のリスク

生成AIは、ユーザーが入力した情報を学習データとして利用するケースもあります。同一のAIモデルを複数の組織や個人で共有して使っているケースでは、企業秘密にあたる情報を入力してしまうとその秘密情報の一部が勝手に利用されてしまうリスクがあります。

2023年には、サムスン電子の社員が機密情報のソースコードをChatGPTにアップロードしたことで情報漏洩が起きたというニュースがありました。※9 

その後、サムスン電子ではAIツール利用禁止の通達を出しています。顧客情報が流出すると企業のブランドや信用の失墜につながるため、生成AIを利用する際は、情報漏洩のリスクを認識し、ルールの徹底を図ることが大切です。

生成AIだけでは完全に対応できない

生成AIの導入により業務を効率化できますが、完全に人間と同等の作業をこなせるわけではありません。学習していない内容に関する問い合わせへの回答や他部門への確認が必要なケースなど、人間が介在しなければ問い合わせに回答できない場合もあります。

また、何らかの理由でテキスト入力ができない、AIの回答はわかり難いなど、人間のオペレーターと直接話したほうが早いと感じる顧客もいるでしょう。

いきなりすべてを自動化するのではなく、一部の業務からAIの活用を段階的に広げていく計画を立てることが大切です。

導入後の運用体制が不十分だと回答精度が落ちやすい

生成AIを活用したお問い合わせ対応は、導入後の運用体制が不十分だと精度が低下しやすいという課題があります。

特にCS部門と情報システム部門の連携が弱いと、以下のような問題が発生しがちです。

  • AIが参照するFAQやナレッジが更新されず古い情報を返してしまう
  • 現場から寄せられる改善要望がシステムに反映されず、誤回答が放置される
  • トラブル発生時に原因の切り分けが行えず、復旧に時間がかかる

運用体制が整っていない場合、導入直後は高い精度で動いていても、数ヶ月後には「回答の質が落ちた」「結局人が直している」といった事態になりやすいです。

継続的なデータ更新・定例での改善会議・権限分担などを心がけ、社内連携によるメンテナンス体制を構築しましょう

なお、生成AIの特徴について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

お問い合わせ対応に生成AIを活用して効率化を達成しよう

自社の製品やサービスが普及する、拠点や従業員が増えるなど、ビジネスが成長すると問い合わせも増加し、その対応は担当者の大きな負担となります。

生成AIを活用すれば、問い合わせ対応の一部を自動化し、担当者はより価値の高い作業に集中できるようになるでしょう。AIメールなどのツールを使えば、業務効率が向上し、リソース不足に対応できます。

しかし、生成AIにはハルシネーションや情報漏洩のリスクが存在するため、導入前の

十分な検討や利用者によるルールの徹底がかかせません。

生成AIを正しく活用して問い合わせを自動化し、ビジネスの成長につなげましょう。

WEELが“失敗しないAI導入”を伴走します。

最後に

いかがだったでしょうか?

「生成AIを活用したお問い合わせ対応」は、業務効率化やコスト削減だけでなく、顧客満足度の向上にも直結します。この機会に、AI導入を検討してみてください。

株式会社WEELは、自社・業務特化の効果が出るAIプロダクト開発が強みです!

開発実績として、

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tamura

監修者田村 洋樹

株式会社WEELの代表取締役として、AI導入支援や生成AIを活用した業務改革を中心に、アドバイザリー・プロジェクトマネジメント・講演活動など多面的な立場で企業を支援している。

これまでに累計25社以上のAIアドバイザリーを担当し、企業向けセミナーや大学講義を通じて、のべ10,000人を超える受講者に対して実践的な知見を提供。上場企業や国立大学などでの登壇実績も多く、日本HP主催「HP Future Ready AI Conference 2024」や、インテル主催「Intel Connection Japan 2024」など、業界を代表するカンファレンスにも登壇している。

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