メディア事業部AIライターの大竹です。
ChatGPTの登場以来、生成AIの活用が社会で急速に浸透しています。2023年6月に行われたアンケート調査では、生成AIの認知率は50%を超えていたとのこと。※1 調査時点では実際のビジネス利用は少なめですが、今後急速に導入していく企業が増えると推測されることから早めの導入が求められます。
生成AIは単純に文章や画像を出力するだけでなく、社内システムと連携させることも可能です。今回は、生成AIを用いたシステム開発について詳しく解説します。社内の業務効率化に役立ちますので、ぜひ最後までお読みください。
生成AIとは
生成AIは、AIを用いて新たにコンテンツを創造することを可能とした技術です。大量の学習データから得た情報に基づき人間が作ったようなコンテンツを生成してくれます。生成AIの種類によって得意とする分野は異なりますが、文章や画像だけでなく、動画や音声も出力可能です。
たとえば、生成AIの代表例であるChatGPTは文章に特化しています。指示文を入力することで内容に合った文章を出力してくれます。画像生成AIであれば、Midjourneyが有名です。画像のイメージをテキスト入力することで、AIが画像を作ってくれます。前述の通り、生成AIにはそれぞれ得意不得意があるため活用方法に合わせた生成AI選びが重要となります。
生成AIを業務に導入するメリット
- 時間を節約できる
- コストを削減できる
- 新しいアイデアやデザインを提案してくれる
- 様々な種類のコンテンツを生成できる
- 専門知識がなくても操作できる
生成AIを社内に導入するメリットとして、上記の項目が挙げられます。生成AIのメリットとして大きいのが時間と費用を削減できるところ。人間が手作業で文章を執筆したり、イラストなどのコンテンツを作成するのはどうしても時間がかかります。
しかし、生成AIを活用すれば、制作コストは安く済み作成にかかる時間も短くなるので効率的に作業を進めることができます。また、環境やツールさえ整えれば、専門知識ゼロで操作できる点も大きなメリットです。
生成AIの活用事例
- 自動応答チャットボット
- 画像・動画コンテンツの作成サポート
- メール返信文を提案させる
- データ分析と要約
- 新企画のアイデア出し
- トラブルの解決策を提案させる
生成AIの活用事例の一部として上記が挙げられます。生成AIが大きく活躍するのは、人間が行うと手間取りやすい業務の代行。たとえば、問い合わせ対応は人間が対応すると短時間では完了しません。
その点、生成AIならば学習データから適切な回答を瞬時に出力できるため効率的になるに加え、運用コストも低く抑えられます。他にも利用者のアイデア次第で、いくらでも生成AIの活用の幅は広げられます。
なお、生成AIの活用事例について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
生成AIでシステム開発することもサービス継続も可能
生成AIは既存のサービスをそのまま活用する以外にも、自社のシステム開発に利用することも可能です。ここでは、生成AIを自社で開発するメリットと必要な条件について解説します。
生成AIを用いたシステム開発を行うメリット
生成AIでシステム開発を行うと、以下のようなメリットがあります。
- システム開発の時間を削減
- システム開発のコストや人件費を削減
生成AIを上手に活用することでさまざまな作業を効率化させ、社内の生産性を大きく上げることができます。
具体的には、
- プログラムのコードを短時間で作成可能
- 社内データを活用した文章が生成できる
- 生成AIを用いてノーコード開発も可能
- システムのマニュアルを作成できる
状況によって異なりますが、自社のシステム開発に生成AIを取り入れるメリットとして上記が考えられます。共通して言えるのは、システム開発に必要な時間とコストを短縮できる点。
たとえば、ChatGPTを活用して社内FAQの回答を作成させることが可能です。プログラミングコードの提案やミスのチェックといった工程も任せられます。画像を必要とするシステム開発においても、生成AIを導入することで、画像データをイチから用意する必要がなくなります。
生成AIを活用したシステム開発に必要な条件
生成AIをシステム開発に活用することはメリットも大きいですが、実現させるには必要条件も存在します。まず必要なのは、システム開発に必要な環境を整えること。生成AIによる処理を迅速に完了させられる高性能なパソコンやプログラムを作る際の土台や枠組みであるフレームワークなどが必要です。
加えて、生成AIに精通した人材も必要です。生成AIの利用自体は誰でも簡単に行えますが、システム開発に用いるとなると話は別。生成AIに詳しい開発者が求められます。プログラムシステム開発の場合は、Pythonをはじめとしたプログラミング言語の基本知識も欲しいところです。
生成系AIを使ったシステムの活用方法
では実際の現場では、生成AIを使ってどのようなシステム開発を行うべきでしょうか?
弊社が過去に行ってきたAIの導入事例をご紹介します。
事例①お問い合わせメールの自動対応
カスタマーサポートなどでの利用例です。
メール応対に特化したAIを開発し、お問い合わせの種類ごとに適切なメール返信・会議日程調整を自動化しました。最低でも90%以上の工数削減を実現しています。
事例②企画立案・イメージ画像生成
新しい製品(この場合「車」)の企画立案過程を自動化した事例です。
ChatGPTと画像生成AIを組み合わせて、今まで何日もかけていた作業を最短10分程度の工程に落とし込みました。
事例③AI導入コンサルティング
現在世の中にはAI搭載ツールが大量に存在します。
無料ツールから有料ツールまで、お客様の業務に適したAIを調査・比較し、導入を支援します。
例: ChatGPT、Chrome拡張、画像生成AI、動画生成AI
他にもさまざまな活用事例があり、弊社のHPにて紹介しておりますので是非ご覧ください。
大手IT企業の生成AI活用の展望
大手IT企業で生成AIをソフトウェア開発に活用する動きがみられています。主な企業と活用方針は以下のとおりです。
会社名 | 方針 | 生産性向上の目標 | 利用する主な生成AI |
---|---|---|---|
NTTデータ | ・要件定義からデプロイまで ・信金などの大規模システムを学習させマイグレーションにも利用 | 2025年度に50%2030年度に70%削減 | ・GitHub・Copilotなど |
NEC | ・実装から単体テストまで ・「生成AI活用ガイドライン」を作成し、上流工程へ移行 | 平均30%の生産性向上 | ・GitHub・Copilot |
日立製作所 | ・コーディングと単体テストから始めて、基本設計から総合テストまで広げる ・ソリューション開発やマイグレーション、運用保守、品質保証も視野に入れる | 2027年度に基本設計から総合テストまでで30%の削減 | ・Azure OpenAI Service |
富士通 | ・仕様設計からプログラミング、テストまで ・自社の標準基盤に生成AIを取り込む | 平均20%の生産性向上 | ・Azure OpenAI Service |
各社ごとに生成AIを活用する工程や進め方、種類に違いがありますが、生産性向上を目標として進めていることがわかります。特にNTTデータが掲げている目標は、最大で70%の削減となっているため、大部分を生成AIが担うこととなります。他社は最大でも30%程度の生産性向上を目標にしていることからも、NTTデータが考える生成AIに対する期待は大きいといえるでしょう。
生成AIを用いたシステム開発事例
これまでの通り、生成AIを活用することで業務を効率化できるだけではなく、新しいアイディアを生み出したり、サービスを展開することもできます。
そんな様々な活用方法のある生成AIは、システム開発時にも大活躍します。実際に生成AIを用いたシステム開発を行っている企業も多いので、ここでは、実際のシステム開発事例をご紹介します。
事例①株式会社NTTデータのシステム開発
通信事業最大手であるNTTは、法人向けシステム構築に生成AIを本格導入することを発表しました。※2生成AIを利用したシステム開発手法やツールを社内で整備し、2024年度から国内外の開発部門に展開する予定です。
既に実証では開発工数を7割削減できたなど大きな成果事例が出ているということです。日本の企業でも、今後さらに生成AIによるシステム開発が進んでいきそうですね。
事例②株式会社日立製作所のシステム開発
2023年11月21日に日立から生成AIを活用したシステム開発が発表されました。※3 生成AIと日立の自動車分野の豊富なナレッジを応用して、車載カメラ映像から交通状況に関する高度な説明文を自動生成するとのことです。
従来では自動車メーカーや車載器ベンダーなどは、ソフトウェアを開発する際に車載カメラの映像・走行データなどもとに開発を行います。しかし、車から撮影したデータの中から交通状況を把握するために必要な部分を抽出する作業は長時間にもわたる大変な作業です。
この開発ではそんな抽出作業が不要で、必要な情報を瞬時に検索できるようになり、開発期間の短縮やコスト低減を可能にします。2024年9月までに実用化を目指しているということです。
事例③アクセンチュア株式会社のシステム開発
アクセンチュアは生成AIを本格活用する支援を行うとGoogle Cloudとともに発表しました。※4 2023年7月13日に発表されたもので、今後3年間でAI分野への投資を30億ドルする予定とのことです。
アクセンチュアとGoogle Cloudが協業するため、両社の生成AI専門チームを整備し、世界各地に配置。互いに連携が取りやすい体制をとることで、数日間のスピードで価値を創出できるような実証や施策を実現するとのこと。
システム開発のために会社での専門部署を作り、生成AIを活用したシステム開発を行うようです。必要な環境の作成や人材の確保を行った一例といえます。
事例④富士通株式会社のシステム開発
富士通は、先端AI技術を素早く試せるAIプラットフォームの「Fujitsu Kozuchi (code name) – Fujitsu AI Platform」上で、業務課題を解決するシステムを開発しました。※5
この技術を活用すると、業務課題を自然言語で入力すれば、AIがその課題の意図をくみ取り、課題解決に役立つAIイノベーションコンポーネントを作成することが可能になります。
本来、AIイノベーションコンポーネントを作成するためには、AI専門のエンジニアが必要でしたが、この技術により誰でも簡単にAIモデルを作ることができるようになりました。
事例⑤LINEヤフー株式会社のシステム開発
LINEヤフー株式会社では、開発業務に携わる全てのエンジニア約7,000人を対象にAIペアプログラマー「GitHub Copilot for Business」の導入をしました。※6
GitHub Copilotを活用を活用すると、AIがコードを提案してくれたり、エラーや最適化などのポイントをAI視点でアドバイスすることが可能なため、コーディング作業を効率化することができます。
実際に550人を対象としたテスト導入のアンケートでは、1日のコーディング作業を1〜2時間削減できているという結果がでています。
事例⑥日本電気株式会社(NEC)のシステム開発
NECでは、システム開発時における生成AIの活用方法を見極め、システム開発プロセスの中にGitHub Copilotを導入し業務の効率化を図っています。※7 特に、実装から単体テストの工程においては、工数が多くかかるためGitHub Copilotを活用することで作業の効率化に成功しています。
しかし、使い方によって品質にばらつきが出たり、ハルシネーションを起こしたり、入力データ量の制限があったりと、まだまだシステム開発における生成AIの活用には課題が山積みです。
それでも、局所的に生成AIを活用することで業務効率は上がっているため、今後も現状の課題に向き合いながらシステム開発における生成AIの導入を進めていくそうです。
生成AIを用いたシステム開発する方法
- AIを用いたシステム開発の企画
- AI導入方法の検証
- AI運用
社内のシステム開発に生成AIを用いる場合、大まかな流れとして上記のステップを踏んでいくことになります。ここでは、生成AIを活用したシステム開発の方法について解説します。
①AIを用いたシステム開発の企画
まず社内で取り組むべきなのが、AIを用いたシステム開発の企画をまとめること。どのような課題解決を目的に導入するのか、AIを活用したい社内業務はなにか、など企画の詳細を明確にすることが大切です。
この工程を怠ると、何となくでAIを取り入れることになり成果も得にくくなります。生成AIに任せたい業務をピックアップし、数値で評価できる目標を設定しましょう。
②AI導入方法の検証
続いて、どのようにAIを取り入れるかを検証しましょう。まず明確にしておきたいのは、利用する生成AIの種類。テキストや画像、動画など生成AIには、それぞれ得意としている分野があります。どういった形で生成AIをシステムに取り入れたいのかをハッキリさせましょう。
AIをシステムに組み込む方法について、自社でLLM(大規模言語モデル)を構築しシステムと連携させる場合は、外部に情報が流失しにくいメリットがあります。ただし、社内でLLMを構築するのは至難の業。専門家を集める必要がありコストも高いです。
そのため、基本的にはChatGPTなど既存の生成AIサービスが提供しているAPIと連携させる方法が無難です。
③AI運用
目的が定まり生成AI選定の目途も立ったら、いよいよ社内システムに連携し運用スタートです。生成AIが想定通り稼働しているか、トラブルが起きていないかなどを社内でモニタリングしていきましょう。問題が発生したら、どのように対応するかを規定したガバナンス体制を整えておくことも重要です。
モニタリングした結果から、必要に応じて生成AI学習調整やモデルの変更などを実施し精度を高めていきましょう。
生成AIのシステム開発における注意点
生成AIは作業を効率化させ、新たなアイディアを生む便利なツールである反面、注意すべきポイントも存在します。主な注意点は以下の4つです。
- 社内情報の流出リスク
- ハルシネーションで誤情報を扱うリスク
- 収益が減るリスク
- 著作権侵害やライセンス違反のリスク
①社内情報の流出リスク
社内情報の流出リスクは生成AIのシステム開発で注意しなければなりません。生成AIの中には入力された情報をモデル学習に活用するものもあります。
そのため、社内の機密情報を入力すると外部へ流出してしまう恐れがあります。API技術を活用すれば、ある程度リスクは軽減しますが、それでもプロンプトインジェクションなどのリスクがあるため生成AIへの機密情報の入力は避けるべきです。
②ハルシネーションで誤情報を扱うリスク
生成AIが出力したコンテンツは100%正しい情報に基づいているとは限りません。誤情報を正しいものとして扱ってしまうハルシネーションという現象が起きることも多いため、システムで問題が起きないよう常に監視する体制が必要です。
③収益が減るリスク
生成AIを活用することで、短期間でシステム開発が可能です。しかし、作業時間や人員、工数が減少するため、システム開発費用が減る恐れがあります。
例えば、従来では1年かけてシステム開発していましたが、生成AIを使って3か月でリリースできた場合、工数は4分の1になってしまいます。ソフトウェアライセンスやハードなど、その他にもかかる費用はあるため、システム開発費用が4分の1になるわけではありませんが、収益が減るリスクがあることは注意しなければなりません。
システム開発を効率的に進められる分、多くの開発案件に携わることで、収益を下げるリスクの対策となります。
④著作権侵害やライセンス違反のリスク
生成AIをシステム開発に使うためには、既存システムの情報を生成AIに学習させ、新しいコードを生成します。生成したコードの中には、既存ソフトウェアのソースコードが含まれる可能性があります。ソフトウェアの規約によっては、著作権侵害やライセンス違反となる場合があるため、注意しなければなりません。
対策として、主に以下の方法があります。
- Amazon CodeWhispererのように学習されたコードの再現を避ける方法※8
- Microsoft社のGitHub Copilotを使って開発する(生成したコードによる著作権侵害問題に対する補償対応をしている※9)
- Google社のDuet AIを使って開発する(著作権侵害の申し立てを受けた場合の補償対応が可能※10)
なお、生成AIの注意点について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
生成AIを使ったシステム開発を効率化するツール3選
生成AIツールの活用することで、システム開発を効率よく進められます。この章で紹介するツールは以下の3点です。
- Google Cloud AutoML
- Neural Network Console
- OpenAI Codex
ぜひとも参考にしてください。
ツール①Google Cloud AutoML
Google Cloud AutoMLはGoogle社が提供するツールです。専門知識がなくても高品質な機械学習モデルが作れます。写真や文章、表などのデータ分析に優れており、直感的な操作ができるため、手軽にシステム開発を進められるのが特徴です。
ツール②Neural Network Console
Neural Network Consoleはソニー社が提供するAIモデル開発ツールです。直感的な操作が可能なため、プログラミングの知識がない方でも扱いやすいのが特徴です。
AIモデル開発の工程を学習から性能検証までサポートしてくれます。あとは学習データを用意し、入力から出力までの処理を画面上でつなげていくだけで、AIモデル開発が進みます。
このツールは、AIモデル開発に必要な機能がまとまっているため、初めてAIモデル開発を行う方におすすめです。
ツール③OpenAI Codex
OpenAI CodexはアメリカのOpenAI社が提供している自然言語をコード変換するAIシステムです。コード変換したい内容と言語を指定するだけで、必要なコードを生成してくれます。
Microsoft社のGitHub Copilotで採用されているテクノロジーで、PythonやJavaScript、Go、Perl、PHPなど10を超える言語を使えるため、利用できる幅が広いのが特徴です。
【今後どうなる?】生成系AIを使ったシステム開発の将来について
今後、企業における生成AIのシステム開発の重要性は高まっていきます。これはAIの進化が進む中で、ビジネスプロセスの自動化・効率化がますます求められるためです。
生成AIは、
- 自然言語処理
- 画像生成
- データ分析
など多岐にわたる分野で革新的な応用が可能であり、企業はこれを利用して競争優位を築くことができます。
また、生成AIは顧客のニーズをより深く理解し、パーソナライズされたサービスや製品を提供するための鍵となります。
例えば、
- AIによるカスタマーサポート
- 個別化されたマーケティング戦略の展開
- 製品設計の最適化
などが可能になるでしょう。
このプロセスでは、AIの活用方法がビジネスの成功を左右する要因となります。
さらに、生成AIの進化は新たなビジネスモデルの創出を促します。AIを活用した新サービスの開発や、従来のビジネスプロセスを根本から変えるイノベーションが期待されています。生成AIを取り巻く環境の変化に適応し、これを最大限に活用する企業が、将来的に市場での優位性を保つことになるでしょう。
生成AIによるシステム開発の普及でプログラマーの仕事はどうなるのか
これまでご紹介してきた通り、生成AIを活用すればシステム開発を行うことができます。これにより、プログラマー以外でもシステム開発を行うことができるので、プログラマーの仕事がなくなってしまうのではないかと不安を感じる方も多いでしょう。
上記の図は実際にプログラミングに生成Aiを活用しようと考えている企業が多いことがわかる情報です。株式会社三菱総合研究所が2023年12月に調査したアンケートによると、生成AIを活用する場面として「プログラミング」を回答した企業が31.8%もいることがわかりました。外部情報収集や翻訳、議事録作成などに続き、6番目に高い結果です。
今まで全て人力でプログラミングを行ってきた作業を生成AIに代替えされることで、タスク量が減ることは間違いありません。しかし、生成AIに細かいニュアンスまで指示する難しさや、部分的な修正が必要だったりと生成AIだけで開発を行うためにはクリアしなければならない壁があります。
また、プログラミング技術がない会社が生成AIのみでシステムを開発したとしても、リリース後にバグやエラーが発生する可能性もあります。これも、生成AIのみで対応できる範囲のエラーなら問題ありませんが、場合によっては解決できないバグやエラーも出てくるでしょう。
そうなった場合、プログラミング知識がなければ修正することができないため、プログラマーの仕事は完全にはなくならないといえるでしょう。
生成AIのシステム開発は専門家に相談するのも選択肢のひとつ
今回、可能な限り分かりやすくまとめましたが、生成AIを用いたシステム開発は難しいと感じてしまう方も多くいることでしょう。実際、生成AIを取り入れた社内システムの構築は非常に専門的。知識やノウハウがなければ、満足のいく結果には至らないでしょう。
そのため、生成AIのシステム開発を専門家に相談するのは理に適った選択肢のひとつといえます。専門家に相談することで、生成AIを組み込んだシステム開発を効率よく行うことが可能です。
よく分からないままシステム開発を進め、中途半端な結果となって失敗するリスクも回避でき、全体的な費用対効果を考えれば、利益に繋がりやすいです。
あくまで一例ですが、弊社の生成AIのシステム開発導入は以下のような流れで行われます。
- AIを知る(AI教育・研修)
- 調査・比較(業務ヒアリング、用件設計、AIリスク検証、AIツール比較)
- 導入(AIツール導入)
- 運用(運用支援)
AIを知る(AI教育・研修)
社内でAIを効果的に活用するには、会社全体でAIに関する知識を高めることが必須です。
AIは便利な反面、活用にはリスクを伴います。全社でAIのメリット・デメリットをきちんと理解してツールを運用することで、リスクを回避しつつ生産性を上げることが可能になるのです。
調査・比較(業務ヒアリング、用件設計、AIリスク検証、AIツール比較)
それぞれの会社に合わせたAI導入を検討します。
- どのような仕事をAIに任せたいのか?
- どの業務にAIツールを導入するのが最も効果的なのか?
- AI導入におけるリスクは何か?
- 最適なAIツールはどれか?
そういったことを、会社に合わせて擦り合わせていきます。
導入(AIツール導入)
実際にAIツールを導入します。
導入して終わりではなく、その後の訓練や効果測定も重要です。
運用(運用支援)
AIを導入した後の、運用支援を行います。
AIはあくまで道具であり、上手に使えるかどうかは別の話です。
せっかくの便利なツールを最大限活用できるよう、運用に関するアドバイスを行います。
繰り返しですが、このような流れはあくまで一例です。生成AIのシステム導入の流れについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:「生成AI × 事業」を促進するWEELの統合ソリューション
生成AIのシステムを開発し業務の効率化を目指そう!
生成AIを社内システムに取り入れる動きは、日本だけでなく世界中で活発化しています。極端な話、生成AIを業務に取り入れないままでいると他社との競争において非常に不利。いつまでも対応を見送っていると、会社が時代に取り残されてしまいます。
反対に、早い段階から生成AIを社内システムに組み込むことで業界内で一歩リードできる可能性もあります。しかし、本記事で取り上げたNTTデータやアクセンチュア、日立、富士通、LINEヤフー、NECなどの導入事例を見ていただいてもわかる通り、まだまだシステム開発を生成AIに丸投げすることは難しいでしょう。
それぞれの開発環境によって活用方法は様々あるので、今回のご紹介した活用事例や開発事例を参考に、社内での生成AIを活用したシステム開発を検討してみてはいかがでしょうか。
- ※1:アンケート調査にみる「生成AI」のビジネス利用の実態と意向
- ※2:NTTデータが生成AI使うシステム開発手法を全技術者に展開、人月型契約が見直しに
- ※3:生成AIを活用し、自動車向けソフトウェア開発の効率化を支援する技術を開発
- ※4:企業の生成AI活用 アクセンチュアが30億ドル投資し、Google Cloudと支援
- ※5:AIイノベーションコンポーネントを自動生成するAI技術を開発
- ※6:LINEヤフーの全エンジニア約7,000名を対象にAIペアプログラマー「GitHub Copilot for Business」の導入を開始
- ※7:ソフトウェア・システム開発への生成AIの活用
- ※8:Amazon Q Developer のよくある質問
- ※9:マイクロソフト、お客様向けの Copilot Copyright Commitment を発表
- ※10:Shared fate: Protecting customers with generative AI indemnification
生成系AIの業務活用なら!
・生成系AIを活用したPoC開発
・生成系AIのコンサルティング
・システム間API連携
最後に
いかがだったでしょうか?
生成AIの導入で業務効率化を加速させてみてください。AI活用事例や最新のシステム開発方法を取り入れることで、競争力を高められます。
株式会社WEELは、自社・業務特化の効果が出るAIプロダクト開発が強みです!
開発実績として、
・新規事業室での「リサーチ」「分析」「事業計画検討」を70%自動化するAIエージェント
・社内お問い合わせの1次回答を自動化するRAG型のチャットボット
・過去事例や最新情報を加味して、10秒で記事のたたき台を作成できるAIプロダクト
・お客様からのメール対応の工数を80%削減したAIメール
・サーバーやAI PCを活用したオンプレでの生成AI活用
・生徒の感情や学習状況を踏まえ、勉強をアシストするAIアシスタント
などの開発実績がございます。
まずは、「無料相談」にてご相談を承っておりますので、ご興味がある方はぜひご連絡ください。
「生成AIを社内で活用したい」「生成AIの事業をやっていきたい」という方に向けて、生成AI社内セミナー・勉強会をさせていただいております。
セミナー内容や料金については、ご相談ください。
また、サービス紹介資料もご用意しておりますので、併せてご確認ください。