”年の差”恋愛における7つの科学的事実

年の差カップルは特別な存在ではありません。

もしかしたら、あなた自身も年の差のある相手に心を惹かれているかもしれません。

では、実際に年の差恋愛を楽しむ人々には、どのような傾向があるのでしょうか?

ドイツMSHの心理学者セバスチャン・オクレンブルク教授(Sebastian Ocklenburg, Ph.D.)は世界の研究で明らかになった「年の差恋愛」に関する7つの科学的事実を教えています。

目次

  • 年の差恋愛は珍しくない!?男性と女性における違いとは?
  • ”年の差”恋愛における「幸福度」や「経済的安定感」は?

年の差恋愛は珍しくない!?男性と女性における違いとは?

近年の国際的な研究によれば、年齢差カップルは文化や時代を問わず広くみられることが明らかになっています。

では、年の差カップルにはどのような傾向があるのでしょうか?

科学的に検証された7つの事実のうち、まず最初の3つを解説します。

1. 男性は年下女性と一緒にいると長生きしやすく、女性は同年代がベスト

デンマークの大規模な調査(Drefahl, 2010)では、「男性は自分よりも若い女性と結婚すると、死亡リスクがやや下がる」ことがわかっています。

たとえば、妻が15歳年下である男性の場合、同年代のパートナーを持つ男性よりも死亡リスクが約4%低いという統計もあります。

この背景には、年下のパートナーから精神的な活力をもらえることや、高齢期に介護してもらえるメリットなどが挙げられています。

一方、女性の場合は、夫が同い年だと最も長生きしやすいことが示されています。

こうした違いは、男女間の介護の違いを反映している可能性があります。

2. 「男性が年上」カップルが圧倒的多数

上記と同じ研究からは、デンマークでは「男性が年上」のカップルが圧倒的に多いことが分かっています。

具体的には、75%の男性が“自分より1歳以上年下の女性”と結婚しているのに対し、「男性が年下」という組み合わせはたった10%に過ぎません。

残り15%はほぼ同い年という組み合わせです。

この傾向は国や文化を超えて共通している可能性があり、「女性が年上で、男性が若い」というカップルは、どちらかというと少数派かもしれません。

3. 男性も女性も年下パートナーを好むが、男性のほうが顕著

パートナー選びに関しては、男女ともに「自分より若い相手」を理想とする傾向があることも、最近の研究で明らかになりました(Gottfriedら, 2024)。

この傾向は年齢を重ねるほど強まりますが、男性のほうが顕著です。

例えば、70歳の男性が理想とする女性の年齢は平均「58歳」と12歳も下です。

一方、70歳の女性が理想とする男性の年齢は平均「68.5歳」と2歳ほど下にとどまっています。

このことから、年齢差に対する希望や社会的許容度にも、男女差が強く現れていることが分かります。

”年の差”恋愛における「幸福度」や「経済的安定感」は?

年の差恋愛は「どのくらい年が離れているか」も、国や文化によって大きく異なります。

ここからは残り4つの科学的事実について解説します。

4. 世界の平均年の差は「4.2歳」

130か国に及ぶ大規模な調査(Ausubelら, 2022)によると、世界的な平均として“男性が女性より4.2歳年上”という傾向が明らかになっています。

この「4.2歳」という数字は、現代の世界で最も一般的な年の差カップルの姿と言えるでしょう。

5. 国ごとに「年の差」の幅は大きく違う

平均4.2歳とはいえ、国や地域によって年齢差の傾向は大きく異なります。

たとえば、北米では平均2.2歳、ヨーロッパでも2.7歳と、比較的小さい年の差が一般的です。

一方で、バングラデシュ(8.7歳)、ナイジェリア(11.8歳)、ガンビア(14.8歳)などの国では、10歳以上の年の差カップルが当たり前という社会もあります。

この背景には文化や宗教、社会経済的な要因が大きく影響しています。

6. 年上のパートナーは「幸福度」が高い傾向に

年の差が大きいカップルでは、どちらがより幸せを感じやすいのでしょうか?

2025年の研究(Banburyら)によれば、7歳以上の年齢差がある場合、特に男性では、「年上よりも年下の女性」と交際・結婚している人のほうが、幸福度が高いというデータが示されています。

一方で、女性は年齢差による幸福度の違いがほとんど見られません。

年上でも年下でも、関係性そのものに満足しているケースが多いようです。

総合的に考えると、年上のパートナーの方が幸福度は高い傾向にあると言えます。

7. 経済的安定感は「年上男性と年下女性」の組み合わせで強く感じられている

経済的な側面でも、年の差は影響しています。

若い女性が年上男性と付き合う場合、「経済的な安定感がある」と感じる割合が高いことが示されています(Banburyら, 2025)。

ただし、若い男性が年上女性と付き合った場合は、同じような感覚は得にくいようです。

これは伝統的な性役割や、収入格差、社会的な期待などが背景にあると考えられています。

ここまでで年の差カップルにおける7つの科学的事実を考慮してきました。

世界的に、年の差カップルはよく見かけます。

そして、その背後には、寿命や幸福度、経済的な安定感など、さまざまな科学的な要素が複雑に絡み合っています。

年の差恋愛にまつわる事実を知ることで、より多様な恋愛の形を理解できるかもしれません。

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参考文献

Age Gaps in Relationships: 7 Scientific Facts
https://www.psychologytoday.com/us/blog/the-asymmetric-brain/202510/age-gaps-in-relationships-7-scientific-facts

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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