
- 普段使っているブラウザを、AIがそのまま自動で操作できるようにするツール
- ログインが必要なSaaSや複雑な管理画面でも、人の代わりに調査・入力・更新を実行できる
- 従来のAIでは難しかった実務レベルのブラウザ作業を効率化できる点が最大の強み
2025年11月、Manusから、「Manus Browser Operator」が発表されました!
多くの企業の業務は、気づけば「ブラウザの操作」に時間を奪われています。ログインしたSaaSを行き来し、同じ画面遷移をくり返し、入力して、また別の画面へ戻る。RPAやAIによる自動化が話題になってきたものの、実際にはログインが必要、画面が複雑、認証が多い、といった理由から、現場のブラウザ業務だけは自動化が進まないという声が多く聞かれます。
「この作業、AIがやってくれたらいいのに…」
「でも、実際に使ってみるとAIが途中で止まってしまう…」
そんなブラウザ作業の最後の難所を解決するために登場したのが、Manus Browser Operatorです。
普段使っている実ブラウザをAIがそのまま扱えるようにすることで、従来の自動化ツールでは届かなかった領域まで業務効率を押し上げる、新しい自動化の形が実現しつつあります。本記事では、その仕組みから特徴、価格、活用事例までを詳しく解説します。
\生成AIを活用して業務プロセスを自動化/
Manus Browser Operatorの概要

Manus Browser Operatorは、拡張機能としてブラウザに組み込むことで、ログイン済みのセッションや日常的に利用しているタブ、拡張機能までもそのまま活かしながら、AIが調査、画面遷移、入力、判断といった一連の操作を自律的に実行できるツールです。※1
Manus Browser Operatorが登場した背景には、多くの企業が抱える「ブラウザ業務の非効率」があります。企業で使われるSaaSや管理画面はログイン必須であり、複雑な画面遷移や多段階の操作を前提としているため、従来のAIや自動化ツールでは対応が難しい領域でした。つまり、仮想ブラウザを使うAIは、サービス側の制限や認証フローに阻まれ、実運用では想定どおり動かないことが多く、RPAは環境変更に弱く、維持コストが高いという課題を抱えていたのです。
そこでManus Browser Operatorは、こうした従来の限界を超えるために、クラウド上の仮想環境ではなくユーザーが実際に使っている現実のブラウザをAIが扱えるよう設計されています。すでに認証済みのセッションを利用できるため、企業独自の管理画面、IP制限つきサービス、多段階認証が必要なSaaSなどにも対応しやすく、情報閲覧だけでなく、クリックやフォーム入力といった具体的な操作までAIが行える点が最大の違いです。
なお、Manusについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Manus Browser Operatorの仕組み

Manus Browser Operatorの内部構造を3つにわけて解説します。
ブラウザ拡張モジュール
ブラウザ拡張モジュールは、Manus Browser Operatorの手足にあたる部分です。ユーザーのブラウザの中で動き、画面上の情報を正確に読み取る役割を担っています。※2
画面にはボタンや入力欄、リンク、表、ポップアップなどたくさんのパーツがありますが、この拡張モジュールはそれぞれの位置や性質を把握し、AIが指示した操作を「実際のクリック」や「キーボード入力」として実行。このとき、拡張モジュールはユーザーの仕事環境に合わせた動きが可能です。
複数のタブを開いている場合は、AIの指示に基づいて必要なタブへ切り替えたり、ログイン済みのサービスにアクセスしたりします。あくまでもブラウザの中で人が操作しているのと同じ形で動くため、サービス側から見ても不自然な挙動にはなりません。
また、安全性にも配慮されています。ユーザーの承認なしに勝手に動き始めることはなく、操作中もユーザーが停止したり、画面を確認することが可能です。このように、AIに作業を任せる心理的なハードルが低くなるように設計されています。
操作指示レイヤー
操作指示レイヤーは、拡張モジュールとManusのAIエージェントを結ぶ通訳役のような存在です。※3
拡張モジュールが取得した画面情報をAIが理解しやすい形に整理し、逆にAIが出した操作計画をブラウザが実行できる形に翻訳します。
このレイヤーが入ることで、AIが「このボタンを押すべき」「次はこの入力欄に文字を入れるべき」と判断した内容が、そのまま正確にブラウザ操作として反映されます。ブラウザの画面構成が少し変わった場合でも、このレイヤーが差分を吸収し、安定的に操作が続けられるように調整する役割も担っています。
Manus AIエージェント
Manus AIエージェントはクラウド上で動作し、ユーザーが依頼したタスクをどう進めればよいかを考える頭脳の部分です。依頼された作業の目的を理解し、計画を立て、画面の状態を確認しながら次の行動を判断していきます。
Manus AIエージェントは、単に「指示された通りに押す」だけではなく、状況に応じて判断を行うことが可能です。例えば、ログイン画面が出てきたら、適切な入力欄を探す。ページの読み込みが遅ければ待つ。想定外のポップアップが出れば閉じる。というように人がブラウザを使うときと同じ判断を行います。
操作は「計画 → 実行 → 結果確認 → 次の計画」というサイクルで進むため、従来のRPAよりも画面変化に強く、複雑なサイト構造でも適応しやすい点が特徴です。ログイン済みのセッションや複数タブも活用できるため、実務レベルのタスクをこなせる柔軟性があります。
Manus Browser Operatorの特徴
Manus Browser Operatorの最大の特徴は、AIが自分で考えて操作することです。競合ツールのClaude、GPT、Difyに搭載されているブラウザ操作エージェントは、クラウド側の仮想ブラウザをベースに動きます。
これに対してManus Browser Operatorは、ユーザーが日常的に使っている実ブラウザを直接利用し、ログイン済みのセッションや複数タブ、拡張機能まで丸ごと活かせる点が明確に異なると言えるでしょう。
仮想ブラウザ型AIは、認証が厳しい企業システムやログイン必須のSaaSで安定性に課題が生じやすく、画面の構造が複雑なサービスでは誤操作が起きがちです。一方、実ブラウザを基盤にするManus Browser Operatorは、企業が日常業務で使用している環境をそのまま利用できるため、CRM、社内ポータル、データ分析ツールなど実務向けの画面に強いことが大きな差になります。
操作性の面でも、クラウド型のエージェントは「ページ遷移→操作→再読み込み」が遅くなりがちですが、Manusはローカルブラウザを利用するため操作レスポンスが軽く、画面更新の待ち時間も短く済みます。利用者にとっては、AIが隣の席でブラウザを代わりに動かしているような感覚で使えるのが特徴です。
拡張性についても、仮想ブラウザ型はサービス側が許可していない拡張機能やカスタム設定が使えないことが多いのに対し、Manus Browser Operatorは既存の拡張機能やCookie情報をそのまま利用できます。この柔軟性が、特定業務向けの専門SaaSを多く併用する企業にとって大きな価値でしょう。
Manus Browser Operatorの安全性・制約
Manus Browser Operatorは、ユーザーの実ブラウザを操作する仕組みであるため、安全性の確保が重要になりますが、Chrome Web Storeでは取得する情報が明示されており、必要最小限のデータのみを扱うため、動作内容が不透明になることはありません。
一方で、いくつかの制約も存在します。画面構造が複雑だったり、JavaScriptが頻繁に書き換わるサービスでは、ボタンや入力欄の認識が安定しない場合があります。二段階認証が必須のサービスでは、ユーザー自身が認証コードを入力する必要があり、完全自動化が難しいケースもあります。また、企業によっては拡張機能の利用が制限されていることがあり、導入前にポリシーの確認が求められます。
対応ブラウザにも制限があり、現状はChrome・Edgeが中心です。SafariやFirefoxには最適化されていないため、企業でブラウザを統一している場合は環境調整が必要になることがあります。
Manus Browser Operatorの料金

Manus Browser Operatorは、Manusプラットフォームの有料プランに含まれて提供されます。料金は年額請求時の月額換算で示されており、Basic・Plus・Pro の3つから選べます。ブラウザ操作エージェントの利用には、基本的にPlus以上が推奨されています。
公式の情報をもとに比較表を作成しました。
| プラン | 月額(年額請求) | 月間クレジット | 同時実行タスク | スケジュールタスク | 向いているユーザー |
|---|---|---|---|---|---|
| Basic | $16 | 4,000 | 2 | 2 | 個人・ライトユーザー |
| Plus | $33 | 8,000 | 3 | 3 | 毎日AI自動化を使う一般業務ユーザー |
| Pro | $166 | 40,000 | 10 | 10 | 高負荷作業・チーム・専門業務 |
Manus Browser Operatorの使い方
Manus Browser Operatorの使い方は大きく「インストール」「接続設定」「操作」の3つのステップに分かれます。基本的にはChrome拡張を追加し、Manusアカウントと連携するだけで利用を開始できます。
まず、Manus Browser Operatorをブラウザに追加します。対応ブラウザはChromeまたはEdgeが推奨です。
Chrome Web Store で「Manus Browser Operator」を開きます。

「Chromeに追加」をクリックし、拡張機能としてインストールします。
その際、下記のようなポップアップがでた場合は、「拡張機能を追加」にクリックをしてください。

追加が完了すると、ブラウザ右上にManusのアイコンが表示されます。

続いて、手のマークをクリックすると下記のような画面が出ます。

「Settings」をクリックするとログイン画面が開きます。

ログインをすると下記の画面になるので、ご自身の状況に合わせて選択をしましょう。

「試してみる」をクリックすると下記のような画面になるので、AIにやってもらいたい操作を依頼してみましょう。

Manus Browser Operatorの活用シーン
Manus Browser Operatorは、ユーザー自身のブラウザをAIが直接操作できるという特性を持つため、日常業務の中にある「ブラウザで行う繰り返し作業」を大幅に削減できます。特に、ログイン済みのSaaSや企業固有のシステムを跨いで行うタスクに強く、従来のAIでは対応しにくかった領域でも高い効果を発揮します。ここでは、実際の使用イメージが湧きやすい活用シーンを紹介します。
| 活用分野 | 内容概要 |
|---|---|
| 業務リサーチの自動化 | 市場調査・競合分析・価格比較など、複数サイトから情報を収集し、表形式への整理やレポート化までAIが自動で実行。ログインが必要な有料ツールもユーザーのブラウザ環境を利用して操作可能。 |
| CRM・管理ツール更新の代行 | CRMや顧客DB、問い合わせ管理ツールへの情報追加・更新をAIが代行。画面移動、入力、保存まで一連の操作を任せられ、定型作業の負担を大幅に削減。 |
| フォーム入力・申請業務の自動化 | 社内外の申請フォーム、問い合わせフォーム、アンケート送信などの入力作業をAIが実行。必要項目の抽出、入力、送信までを自動化し、入力ミス削減にも効果。 |
| データ取得・レポートの定期運用 | 既定の時間にデータ取得→レポート作成→通知までを自動化。Plus以上のプランでスケジュール設定可能。Slack通知やメール配信など定期業務の完全自動化に最適。 |
| Webライター・編集者の調査補助 | 競合記事調査、関連リンク収集、要点整理をAIが代行。リサーチ時間を大幅に短縮でき、記事構成作成前の情報整理に特に強い。 |
| EC運営の在庫チェック・価格更新 | EC管理画面・仕入れサイト・外部APIなどを横断した在庫確認や価格変更を自動化。複数サービスのログイン状態を活かし、業務横断タスクもスムーズに処理。 |
なお、生成AIの活用事例について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。Manus Browser Operatorの機能を試してみる時のヒントになるかもしれません。

Manus Browser Operatorを実際に使ってみた
編集部でも早速使用してみました。
今回は「今日東京駅周辺で泊まれるホテルを予約して」という依頼をしました。
自動で何日にどこに泊まるのか調べて決めて、予約するところまで操作をしてくれました。AIが作業をしている様子を実際に見ることが可能です。見る必要がない場合は、別画面で別の操作をしていても、自動で操作を続けてくれるので効率化になりそうです。

そして、今回はアカウントにログインするところでストップとなりました。トーク画面に「引き継ぐ」ボタンがあるため、ストップになった画面に飛んで続きの作業を行うことができるのも便利だと感じました。
Manus Browser Operatorで広がる実ブラウザ自動化の可能性
今回は、2025年11月に公開されたManus Browser Operatorについてご紹介しました。
このツールはAIが実ブラウザを直接操作できる点で、従来の自動化ツールとは一線を画しています。
ログイン必須の業務システムや複雑なSaaSにも柔軟に対応でき、調査・データ入力・更新作業など、多くの現場で手作業となっていた工程を効率化できます。もちろん、万能ではないため、導入前には自社システムとの相性を確認することが重要です。しかし、業務自動化の範囲を大きく広げられる可能性を秘めたツールであり、次世代のワークフロー構築を検討する企業にとって有力な選択肢となるでしょう。
最後に
いかがだったでしょうか?
Manus Browser Operatorを活用した業務自動化が、貴社のどの業務で最も効果を発揮するのか…投資対効果を可視化しながら、導入判断に必要な情報をご提供します。
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