タタリ神化? 顔が「黒い触手」で覆われたウサギを発見【画像あり】

ウイルス

このほど、アメリカ・コロラド州で、顔から「黒い触手」のような突起を伸ばした奇妙な野ウサギが相次いで目撃され、人々を驚かせています。

まるでスタジオジブリ映画『もののけ姫』に登場する「タタリ神」のような姿に、海外のSNS上では「フランケンシュタイン・バニー」「ゾンビウサギ」といった不気味なあだ名まで付けられる事態となりました。

しかし専門家によれば、これは恐ろしい新種の怪物ではなく、実は古くから知られているウイルスによる症状にすぎないといいます。

では、なぜウサギの顔から“角”や“触手”のようなものが生えてしまうのでしょうか?

目次

  • 謎の触手の正体とは?
  • 伝説上の生物の正体がこれ?

謎の触手の正体とは?

話題のウサギが発見されたのは、コロラド州北部の町フォートコリンズです。

住民たちが町中で見かけた「触手の生えたワタオウサギ」を撮影し、SNSに投稿したことから一気に注目を集めました。

写真には、顔の周りから複数の黒くねじれた突起が伸びるウサギの姿が映っており、まるで怪物が現れたかのように見えたのです。

その奇怪な見た目から「フランケンシュタイン・バニー」「デーモンラビット」「ゾンビラビット」といった呼び名まで飛び交い、インターネット上では不安や驚きの声が相次ぎました。

 

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ですが、この突起は本物の角ではなく「乳頭腫」と呼ばれるイボの一種です。

突起は角質を構成するタンパク質であるケラチンからできており、長く伸びると角や触手のように見えてしまうのです。

この異常な増殖を引き起こすのが「ショープ乳頭腫ウイルス(Shope papillomavirus)」という病原体です。

このウイルスは1930年代に同じワタオウサギから発見されました。

ショープ乳頭腫ウイルスは蚊やダニ、ノミなどの吸血性の節足動物によってウサギの間に広がり、特に夏場の活動が活発な時期に感染例が増えるといいます。

伝説上の生物の正体がこれ?

SNSで拡散されている“角ウサギ”の姿は衝撃的ですが、科学的には目新しいものではありません。

むしろショープ乳頭腫ウイルスは「昔から存在してきた」もので、その奇妙な症状が北米に伝わる伝説上の未確認生物「ジャッカロープ(角のあるウサギ)」を生み出したとも考えられています。

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ジャッカロープの作り物/ Credit: ja.wikipedia

獣医師のローリー・ヘス氏は、「見た目はグロテスクですが、多くの突起は良性で、やがて自然に落ちることもあります」と説明しています。

ただし、突起が目や口の周囲にできてしまうと、視界を妨げたり食事を妨害したりして、命に関わる危険があるといいます。

特に飼育下のウサギでは悪性腫瘍化する確率が高まるため注意が必要です。

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参考文献

Wild Rabbits in US Show Startling ‘Tentacle’ Growths on Their Heads
https://www.sciencealert.com/wild-rabbits-in-us-show-startling-tentacle-growths-on-their-heads

Rabbits with ‘horns’ in Colorado are being called ‘Frankenstein bunnies.’ Here’s why
https://apnews.com/article/rabbits-with-horns-virus-colorado-tentacles-papillomavirus-98b1ad95ba3a0f308bf884d79d1eea7c

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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