オーストラリア砂漠で燃える「謎の物体」を発見!”宇宙から落ちてきた”と話題に(画像あり)

地上の砂漠に突如出現する物体、それは宇宙から来たのかもしれません。

西オーストラリア州の鉱山町から約30キロメートル東に位置する砂漠地帯で、鉱山作業員が燃える謎の大きな物体を発見しました。

この発見を受けて、地元警察Western Australia Police Forceをはじめとした複数の公的機関が調査を開始しました。

初期調査では、今回の物体は宇宙機の部品、いわゆる「宇宙ごみ(スペースデブリ)」である可能性が高いとみられています。

目次

  • オーストラリアの砂漠で燃える物体が発見される
  • 謎の物体の正体は「宇宙ごみ」か!?過去の事例と安全性

オーストラリアの砂漠で燃える物体が発見される

事件は2025年10月18日に発生しました。

鉱山作業員がピルバラ砂漠の未舗装の道路沿いで、赤い砂の上に燃えている大型物体を発見し、すぐさま緊急サービスに通報しました。

この物体の正体について、WA警察やオーストラリア宇宙庁などの専門機関が合同で調査を進めています。

現時点では「物体はカーボンファイバー製で、複合材高圧タンクやロケットタンクなどに使われている素材や形状と一致する」という見解が示されています。

つまりこの物体は宇宙から落ちてきた「宇宙ごみ」かもしれないというのです。

また、オーストラリア運輸安全局は国内の商業航空機とは無関係であることを明らかにしました。

アリス・ゴーマン氏は海外メディアで「中国が9月に打ち上げたJielongロケットの第4段の一部かもしれない」と推測しています。

このような推測の背景には、素材や形状だけでなく、落下時期や軌道などの情報も関連しています。

そもそも宇宙ごみは、人工衛星やロケットが役目を終えて大気圏に再突入する際、ほとんどが大気の摩擦熱で燃え尽きるよう設計されています。

しかし、耐熱性や強度に優れたカーボンファイバー製の高圧タンクなどは、燃え尽きずに地表へ到達することがあるのです。

それでも、今回のように陸地に落下し、人間の目に触れるケースは非常に珍しいことです。

地球の表面の約70パーセントは海であり、実際に発見される宇宙ごみの多くは海上や未踏の土地に消えていくためです。

そして、多くの人がこれを宇宙ごみだと考える理由は、過去の事例にも関係しています。

謎の物体の正体は「宇宙ごみ」か!?過去の事例と安全性

実は、2023年にも西オーストラリア州の海岸で似たような事例がありました。

グリーンヘッド付近の海岸に、幅2.5メートル、長さ3メートルほどの金属製の筒状物体が漂着し、表面にはびっしりとフジツボが付着していました。

当時もオーストラリア宇宙庁が調査に乗り出し、最終的にインドのPSLVロケットの第3段の一部である可能性が高いと結論づけられました。

こうした過去の例から、今回の砂漠での謎の物体に対しても、人々は「また宇宙ごみでは?」と考えているのです。

ちなみに、WA警察は物体をすでに安全に確保しており、現時点で公衆に対する危険はないと発表しています。

SNSや現地住民からは「また宇宙ごみか」「インパクトクレーターはなかった」「トラックの運転手が落としたんだろう」など、驚きとユーモアが入り混じったコメントが多く寄せられています。

また、「こんな田舎にまた宇宙ごみが落ちてきたなんて退屈しない一日だ」といった声や、「誰もケガをしなくてよかった」という安堵の反応も見られました。

このように、宇宙ごみが私たちの身近に届く時代となり、その対応も国や地域を超えて重要性を増しています。

今後、宇宙活動が拡大していくなかで、宇宙ごみ問題はますます現実味を帯びてくるでしょう。

もちろん、現段階ではこの燃える物体の正体が判明したわけではありません。

そして万が一、私たちが見慣れない物体を発見した場合には、どうすべきでしょうか。

決して手を触れず、専門機関に通報することが最も大切です。

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参考文献

Burning Object Found in Australian Desert Likely Fell From Space
https://www.sciencealert.com/burning-object-found-in-australian-desert-likely-fell-from-space

Pilbara District – WA Police Force
https://www.facebook.com/wapolpilbara/posts/pfbid0311sGVAsDWcm2ZuoCHV3FsFqkdsxNbr6Wkm1XXHfHRQxaXnCCYh8mUjHT3wzZ657cl

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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