【生成AI×RPA】職場で神扱いされるAIを活用した業務自動化の方法

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みなさんの会社では、DX(デジタルトランスフォーメーション)が進んでいますか?

DXの一環で、定型業務を自動化する「RPA」を導入されている企業様は多いはず。ですが、「生成AI×RPA」を取り入れている企業様はまだ少ないのではないでしょうか?

生成AIとRPAの組み合わせはお互いの弱点を補い合える、可能性に満ちたソリューションです。海外はもちろん、国内企業からも生成AI×RPAの自動化ツールが登場していて、今後市場の発展が期待されています。

当記事では、そんな「生成AI×RPA」でできること・事例を紹介。完読いただくと、1兆円超えの市場に成長しうるAI関連技術のベストな活用法が見つかるかもです。

ぜひ、最後までお読みください!

生成AI×RPAとは?

ここでは、業務自動化でのポテンシャルを秘めた組み合わせ「生成AI×RPA」の概要をご紹介します。まずは、生成AIの概要から詳しくみていきましょう!

生成AIの概要

「生成AI」はAI(人工知能)の一種で、テキスト / ソースコード / 画像 / 動画…etc.新しいコンテンツの生成が行えるものを指します。

従来「AI」といえば、単一のタスクに特化していて単純な予測にしか適さないとされてきました。対して、この生成AIは命令をもとにある程度柔軟な判断・処理が可能。

自然言語処理特化型の生成AI(LLM / 大規模言語モデル)を搭載したChatGPTの登場以降、「人間の知的労働を代替しうる技術」として各業界からの注目を集めています。

RPAの概要

一方「RPA / Robotic Process Automation」は、パソコン上で人間が行う定型業務・ルーチンワークの一部を代行する技術の総称です。

こちらはルールベースや機械学習に基づいて、GUIの操作を自動化するものとなっています。人手不足解消や業務効率化の観点から、生成AIの登場以前より、各業界の注目を集め続けてきました。

そんなRPAは「自動化の初歩」にあたる技術です。RPA関連の技術は自動化の進み具合・範囲に応じて3つのクラスに分けられているのですが、そのうちRPAはクラス1。

下表のとおり、より自動化が進んだクラスも存在します。(※1)

スクロールできます
大まかな業務範囲具体的な作業範囲
クラス1:RPA
(Robotic Process Automation)
定型業務・データベースからの情報取得
・入力作業
・検証作業
クラス2:EPA
(Enhanced Process Automation)
一部非定型業務・RPAまでの作業範囲
 +
・非構造化データの読み取り
・知識ベースの活用
クラス3:CA
(Cognitive Automation)
業務全般の高度な自律化・EPAまでの作業範囲
 +
・プロセスの分析
・プロセスの改善
・意思決定

今後、クラス2「EPA」やクラス3「CA」の登場が期待されています。

生成AIとRPAの違い

生成AIとRPAは、ともにAI関連技術なのですが、得意分野が大きく異なっています。

生成AIが得意とするのは、新しいアイデアの生成や命令に基づく解釈・判断。人間でいうところの「頭脳労働」にあたります。生成AI単体の場合、そのアイデアや判断を実務に反映するところまではできません。

対して、RPAの得意分野は、スプレッドシートの操作やメール送信といった「単純作業」になります。生成AIが苦手とする実務能力に強みがある反面、イレギュラーへの対応力では引けを取っています。

生成AIとRPAを組み合わせると

生成AIとRPAの組み合わせは、お互いの弱点が補い合えるようになっているため、ポテンシャルを秘めています。具体的には、下記の強みをあわせもったソリューションが実現可能です。

  • 生成AIの強み
    • アイデア出しの能力
    • 臨機応変な判断力
  • RPAの強み
    • GUIを操作する能力
    • 処理の正確さ
    • 処理速度

すでに生成AIとRPAを組み合わせた技術が登場していて、その代表例自律型AIエージェントでは、タスクから手順を考えて遂行&改善するところまでが自動化できています。

なお、おすすめの自律型AIエージェントについて詳しく知りたい方は下記の記事をご確認ください。

生成AI×RPAでできること

生成AI×RPAの組み合わせによって、以下のような業務自動化が達成できます。

  • 手書き書類の電子データ化
  • 音声のテキスト化
  • 自然言語から自動化ワークフローを生成
  • データの収集・選別
  • 問い合わせへの対応
  • メールマガジンの自動生成

まずは、DX達成の第一歩「手書き書類の電子データ化」から、詳しくみていきましょう!

手書き書類の電子データ化

生成AIとRPAの組み合わせなら、これまで人力で行っていた手書き書類の転記・電子データ化が自動で行えます。

例えば、紙媒体から電子媒体への転記には、

  1. 紙の書類を目視で確認
  2. スプレッドシートに転記
  3. スプレッドシートを分類別にフォルダに収納

という手順が必要です。うち、スプレッドシートへの転記とフォルダへの収納は、従来のRPA単体でも可能でした。

ただ、手書きの内容を確認する工程については、従来のRPAがもつOCR(光学式文字認識)機能だけでは不十分。OCR単体の場合、誤認識や抜け漏れが生じてしまいます。

そこで活躍するのが生成AIです。テキストの予測能力に優れた生成AI(LLM)なら、OCRが誤認識した箇所も復元可能。あらかじめファインチューニングしておくことで、専門用語や型番にも対応できます。

手作業から生成AI×RPAへの乗り換えで、ミスの頻度や作業時間の大幅カットが狙えそうです。

音声のテキスト化

生成AI×RPAのコンビネーションであれば、会議音声を文字起こしして議事録にまとめるまでの工程も全自動化できます。

まず、文字起こしまでの工程では、RPAと音声認識モデル(AIの一種)が活躍します。RPAが音声データを無音箇所で区切ったあと、音声認識モデルがフィラー(「えーと」「あのー」「そのー」などのつなぎの言葉)の除去・漢字変換を含む文字起こしを実行。この時点でも、ミスや作業時間が大幅にカットできます。

そこからさらに、生成AIが要約・議事録作成も全自動化。社内データに基づく補足(RAG)や特定のフォーマットに則った文書生成(ファインチューニング)まで可能です。

自然言語から自動化ワークフローを生成

作業を自動化するまでの工程が思い描けない場合も、生成AI×RPAにお任せあれ!「○○を××してほしい」と自然言語で指示するだけで、生成AIがワークフローを考えてくれます。

さらに生成AIなら、考えたワークフローをもとに各種ソースコードの生成も可能。あとはRPAが、生成物をもとにフローチャートの描画や各種作業を代行してくれます。

こちらなら、DXに難航している現場でも活躍してくれるかもしれません。

データの収集・選別

Web記事や口コミのリサーチも、生成AIとRPAの組み合わせで全自動化が目指せます。

従来のRPAで自動化できていたのは、ブラウザ上からデータを収集する工程のみ。膨大なデータのなかから必要な情報のみを選別する作業は、人の手で行う必要がありました。

対して生成AI×RPAなら、集めたデータの分類・要約までが自動化できます。口コミを高評価or低評価で仕分けさせたり、集めた記事本文をもとにレポートを作成させたりといった活用が可能です。

問い合わせへの対応

生成AIとRPAの活用で、メールや電話等での問い合わせ対応が高度に自動化できます。

問い合わせ対応自体は、RPA単体でも自動化が可能。ただ、想定外の質問やスパムメール、いたずら電話に弱いという欠点がありました。

対して、生成AI×RPAの組み合わせであれば、問い合わせを分類して最適な対応を決める工程の自動化も図れます。

問い合わせ対応に生成AI×RPAを導入することで、これまで以上に顧客満足度と業務効率の向上が目指せそうです。

メールマガジンの自動生成

メールマガジンの作成・送信も、生成AIとRPAの組み合わせで自動化できる業務です。

自社のWebサイト&資料から知識を収集する工程はRPAで可能。あとは、生成AIが集めた知識をもとにメール文を生成して、RPAがメールを送信するという流れで自動化が図れます。

生成AI×RPAの課題

これまで以上に自動化の範囲が増える生成AI×RPAの組み合わせですが、苦手分野やリスクも抱えています。ここからは、生成AI×RPAの課題を4つ紹介。解決のヒントとあわせてみていきましょう!

機密情報流出のリスク

生成AIのなかには、ChatGPTのように、入力内容を学習して今後の回答へ反映するモデルも存在します。こちらに機密情報や個人情報を入力してしまうと、情報漏えいが起こり得ます。

その対策としては、機密情報や個人情報を入力しないというのが最重要。どうしても、機密情報・個人情報を扱う必要がある場合は、

  • オプトアウト(学習を避ける設定)を選択する
  • APIを経由する等、規約に則って対処する
  • ローカルで稼働するモデルを活用する

以上の手立てが有効です。

そして、RPAについても、セキュリティ対策がなされているものを選びましょう。

生成AIの回答による各種リスク

生成AIの回答はあくまでも、学習データに基づく予測にすぎません。したがって、

  • ハルシネーション(誤情報を含む回答)
  • 差別的・攻撃的な回答
  • 偏見を含む回答

といった不適切な回答のリスクが付きまといます。

そのうち、ハルシネーションについては諦めが必要。現状、RPAでの検閲は不可能で、目視での確認を挟むほかありません。

ただ、差別的・攻撃的な回答や偏見を含む回答については、専用のAIモデルで検閲が可能です。ChatGPTでおなじみOpenAIからは、検閲専用の「Moderation API」が登場していますので、適宜ご検討ください。

著作権侵害のリスク

RAG・ファインチューニング込みで生成AIを活用する場合、読み込み・学習用データの著作権には注意が必要です。著作権侵害とならないよう使用するデータの確認は徹底し、ガイドラインも策定しておきましょう。

導入時のハードル

生成AIやRPAを導入する際、「思ったような結果が出ない」「使いこなせる人がいない」等の壁に直面することがあるかもしれません。生成AI・RPAの導入を難航させないためにも、以下の点を押さえておきましょう。

  • 導入する目的を明確にする
  • スモールスタートで導入する
  • 根本のワークフローから見直す
  • 社内でもIT人材の育成に力をいれる

さて、次項からはすでに生成AI×RPAの組み合わせを達成しているツールの事例をご紹介します。

なお、生成AIのリスク対策について詳しく知りたい方は下記の記事をご確認ください。

生成AI×RPAの組み合わせ事例

ここからは生成AIとRPAを組み合わせたソリューションの事例を紹介していきます。今回お見せするのは、

  • Autoジョブ名人×生成AI
  • UiPath×生成AI
  • WinActor×生成AI

こちらの3例です!まずは「受注業務の完全自動化」を目指す、Autoジョブ名人×生成AIの事例からご覧ください。

Autoジョブ名人×生成AI

ユーザックシステム株式会社がリリース予定の受注業務AIエージェントは、同社のRPA技術・Autoジョブ名人と生成AIによる下記機能を搭載。

生成AIの本質(Transformer)を活かした「テキストの補完」やRAGによる「社内暗黙知の反映」等、ギミックが盛り込まれています。

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「受注業務AIエージェント」の機能RPA(Autoジョブ名人)の役割生成AIの役割
受注データの整形・注文書・発注書の受け取り
・整形した注文書・発注書の基幹システムへの登録
RAGで参照した社内データと、
注文書・発注書の内容の前後関係から
省略箇所(いつもの / 略称 /…etc.)を補完
パーソナライズされた自動顧客対応顧客対応の自動化過去の取引履歴をRAGで参照し、
顧客ごとの特色・傾向を抽出
受注処理の最適化多チャネル(FAX / メール / LINE / 電話…etc.)からの
受注データの統合
過去のデータに基づく受注処理の最適化・判断・実行

定型業務から非定型業務まで、24時間365日体制での自動化がご期待いただけるはずです。

現在、「受注業務AIエージェント」につきましては、PoCサービスのご利用を承っております。「受注業務の完全自動化を達成したい」「人手不足や属人化を解消したい」とお考えの企業様はぜひ、以下のフォームからお問い合わせください。

UiPath×生成AI

米国発で世界的なシェアを誇るRPAツールの「UiPath」からは、生成AI機能のシリーズ「UiPath Autopilot™」が登場しています。(※2)こちらでは下記機能が提供されていて、効率化の過程まで効率化が進められます。

  • 自然言語からワークフロー / コード / 式…etc.の自動生成
  • テキストファイル / ドキュメント / PDF / 画像…etc.からアプリの自動作成 
  • タスクの補助
  • テスト作成と振り返りの自動化 
  • 自動化できる業務の洗い出し

ちなみに、組み合わさる生成AIモデルはGoogleの「Flan-T5」をはじめとするLLM。さらに、OpenAIやAWS等外部の生成AIモデルと組み合わせて使うことも可能です。

WinActor×生成AI

NTTアドバンステクノロジ株式会社が送る国内シェアNo.1のRPAツール「WinActor」も生成AI機能をリリース。従来の機能群に追加する形で、下記の生成AI機能を実装しています。(※3、4)

  • 従来の日本企業特化機能群
    • データの入出力
    • Webブラウジング
    • OCRツールとの連携

 +

  • 生成AI機能
    • 自然言語からのワークフロー自動生成機能
    • ワークフロー内での生成AI連携機能

もともと、非IT人材でも直感的な操作が可能なWinActorですが、生成AI機能の獲得でさらに操作性が向上しています。

なお、RAGの効果を高める方法について詳しく知りたい方は下記の記事をご確認ください。

生成AI×RPAを活用し、業務を自動化しよう!

当記事では、業務自動化における期待の新星「生成AI×RPA」についてご紹介しました。以下にてもう一度、生成AI×RPAでできることを振り返ってみましょう!

  • 手書き書類の電子データ化
  • 音声のテキスト化
  • 自然言語から自動化ワークフローを生成
  • データの収集・選別
  • 問い合わせへの対応
  • メールマガジンの自動生成

定型業務を正確かつスピーディーに自動化できるRPAに、自然言語の理解と柔軟な判断を得意とする生成AIが合わさることで、これまで以上の業務自動化が期待できます。
なお、弊社・株式会社WEELからもユーザックシステム株式会社と共同で、生成AI×RPAの「受注業務AIエージェント」をリリース中!こちらは「テキストの補完」や「社内暗黙知の反映」等、生成AIならではのギミックが満載です。「受注業務の完全自動化」を目指されているお客様はぜひ、下記フォームから気軽にお問い合わせください。

受注業務AIエージェントについて

こちらはRPAツール「Autoジョブ名人」を手がけるユーザックシステム株式会社とWEELが、受注業務の効率化を目指す、「受注業務AIエージェントのPoCサービス」を開始しました!

生成AIの得意分野や周辺技術を活かした下記の機能がお使いいただけます。

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「受注業務AIエージェント」の機能RPA(Autoジョブ名人)の役割生成AIの役割
受注データの整形・注文書・発注書の受け取り
・整形した注文書・発注書の基幹システムへの登録
RAGで参照した社内データと、
注文書・発注書の内容の前後関係から
省略箇所(いつもの / 略称 /…etc.)を補完
パーソナライズされた自動顧客対応顧客対応の自動化過去の取引履歴をRAGで参照し、
顧客ごとの特色・傾向を抽出
受注処理の最適化多チャネル(FAX / メール / LINE / 電話…etc.)からの
受注データの統合
過去のデータに基づく受注処理の最適化・判断・実行

定型業務から非定型業務まで、24時間365日体制での自動化がご期待いただけるはずです。

現在、こちらの「受注業務AIエージェント」につきましては、PoCサービスのご予約を承っております。ご興味がございましたらぜひ、こちらからお問い合わせください。

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