Boston Dynamicsの「Spot」に代表されるように、四足歩行ロボットの代名詞はこれまで“犬型”が主流でした。
しかしその常識を覆す、新たなロボットが今、私たちの前に現れようとしています。
その名は「コルレオ(Corleo)」。
日本の大手メーカー・川崎重工が開発したこの“ロボット馬”は、2025年の大阪・関西万博にて実際に歩く姿が披露されます。
まるでSF映画のような風貌と自然な動きに、SNSでは「未来の乗り物がやってきた」と話題騒然。
果たしてこの機械馬は、私たちの暮らしに何をもたらすのでしょうか?
目次
- 川崎重工がロボット馬「コルレオ(Corleo)」を発表
- ロボット馬「コルレオ」に搭載された最新技術
川崎重工がロボット馬「コルレオ(Corleo)」を発表

2025年4月、川崎重工は次世代型ロボットの目玉として、自社製の四足歩行ロボット「Corleo(コルレオ)」を正式発表しました。
このロボット馬は、大阪・関西万博の川崎重工ブースで展示される予定であり、開幕に先駆けてYouTubeやX(旧Twitter)などを通じてその姿が公開。大きな注目を集めています。
見た目は、ロボットというよりも“装甲生物”。
光沢のある外装に身を包み、関節はしなやかに動きます。
また馬のように頭部を前後に動かす動作は、あたかも生物のようです。

そしてこの新しいコンセプトは、私たちに「ロボット馬に乗って移動する」というワクワクするようなイメージを与えてくれます。
川崎重工はこれまで産業用ロボットや二足歩行ロボット(ヒューマノイド)に力を入れてきました。
人が乗れる四足歩行型のロボットを開発するのも初めてではなく、過去にはヤギロボットを発表したことがあります。
今回のコルレオは、こうした従来のロボット技術の集大成ともいえる存在です。
では、人が乗れるロボット馬「コルレオ」にはどんな機能が搭載されているのでしょうか。
ロボット馬「コルレオ」に搭載された最新技術
🇯🇵 Japanese company Kawasaki has unveiled CORLEO, an innovative robotic horse powered by a hydrogen engine and equipped with artificial intelligence.
It constantly analyses the position of both the robot and the rider, ensuring that the rider is securely held in the saddle. pic.twitter.com/w8Lu4CqQEg
— Lord Bebo (@MyLordBebo) April 5, 2025
コルレオ最大の特徴は、水素エネルギーを活用する四足歩行ロボットであることです。
コルレオには150ccの発電用水素エンジンが搭載されており、後方のキャニスターから水素を供給。
これにより発電されると、4脚に搭載したパワーユニットで力強く走るようになります。

また、コルレオの構造にも注目すべき点があります。
後脚部は前脚部とは異なる縦方向のスイング構造を採用しており、歩行時や走行時の衝撃を効果的に吸収できます。
段差や傾斜地を登る際も、ライダーの視界を確保できる設計が施されているため、快適な乗馬体験が可能です。
さらに、水素残量、山頂までのルート、重心位置などを表示するパネルを搭載。
夜間は路面に進路を示すマーカーを照射することさえできます。

こうした優れたナビゲーションシステムによるサポートは、「従来の乗馬」では得られないものです。
ロボット犬が“地面を歩く監視者”だったのであれば、ロボット馬は“人を乗せて未来へ駆ける相棒”になるかもしれません。
かつて人類が馬に乗って世界を広げたように、これからはロボット馬とともに、新しい時代へと歩みを進めることができるでしょう。
参考文献
大阪・関西万博で未来の新感覚オフロードパーソナルモビリティ「CORLEO」を披露
https://www.khi.co.jp/news/detail/20250403_1.html
kawasaki unveils CORLEO, a four-legged robot with hooves that walks, rides, and climbs
https://www.designboom.com/technology/kawasaki-corleo-four-legged-robot-hooves-expo-2025-osaka-04-07-2025/
ライター
大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。
編集者
ナゾロジー 編集部