オーストラリア・タスマニア州の自然公園で、野生動物カメラマンが「伝説ポケモン級」の衝撃的な発見をしました。
長時間にわたる動物の捜索の末に現れたのは、なんと真っ白な体毛と黄金色のトゲを持つアルビノのハリモグラだったのです。
この体験について、カメラマンは「まるで伝説ポケモンを見つけたかのような衝撃だった」と話しています。
では、実際に撮影された映像を見てみましょう。
目次
- 「伝説ポケモン級」にレアな生き物を発見!目撃者の証言
- なぜ「アルビノ・ハリモグラ」は生まれる?
「伝説ポケモン級」にレアな生き物を発見!目撃者の証言
タスマニア州クレイドルマウンテン国立公園で、ワイルドライフフィルムメーカーのテイラー・ジャミーさんは、6時間以上もハリモグラを探して森を歩き続けていました。
しかし目当ての生き物には一向に出会えず、落胆したまま公園を後にしようとしたその時、思いがけないサプライズが待っていました。
なんと目の前に現れたのは、一般的なハリモグラとは明らかに異なる、真っ白な毛並みに金色のトゲを持つ個体。
テイラーさんは「これこそ伝説ポケモン級の出会い」と興奮を隠せませんでした。
実際の映像がこちら。音量に注意してご視聴ください。
テイラーさんは自身のSNSで「私はポケモンをやったことはありませんが、もしやっていたら、きっとミュウを見つけた時はこんな気持ちなんでしょうね」とその奇跡的な体験を振り返っています。
見つけた瞬間、テイラーさんは人生最速でズームレンズを構え、この希少な個体が藪の中を転げ回り、夕食をとる様子を記録しました。
「野生動物を追い続ける人生で、間違いなく忘れられない一日」と語っています。
なぜ「アルビノ・ハリモグラ」は生まれる?
通常のハリモグラは、灰色がかった茶色い体毛と、明るい色のトゲが特徴です。
しかし今回目撃された個体は、極めて色素が薄いブロンド色の体毛を持ち、まるで雪の中の黄金のトゲのように輝いていました。
このような個体が生まれる理由は「アルビノ」と呼ばれる遺伝的な変異にあります。
これらは、体の色素を作るメラニンの合成がうまくいかないことで起こります。
ハリモグラは「単孔目」という、現生では世界にわずか2系統しかいない哺乳類の一種です。
オーストラリアとニューギニアにしか生息せず、卵を産むという独特な繁殖様式を持っています。
タスマニアに分布するのは「ミナミハリモグラ(Tachyglossus aculeatus setosus)」で、ひときわ人目を避ける習性があり、その姿を捉えるだけでもかなりの幸運が必要です。
さらにハリモグラは、敵から身を守るために地中へ素早く潜り込み、二酸化炭素が多く酸素が少ない環境でも長時間生き延びることができるという特殊能力を持っています。
こうした珍しい生態の上に、さらに希少なアルビノ個体が誕生するのは、まさに「伝説級」と呼ぶにふさわしい出来事です。
過去にもオーストラリアでは数例しか観察例がなく、今回の記録は貴重な科学的資料としても価値があります。
偶然にも「見た人だけがラッキー」という存在であり、多くの自然愛好家たちの憧れの的となっています。
参考文献
Like Catching A Super Rare Pokémon: Blonde Albino Echnida Spotted In The Wild
https://www.iflscience.com/like-catching-a-super-rare-pokemon-blonde-albino-echnida-spotted-in-the-wild-81468
ライター
千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。
編集者
ナゾロジー 編集部

