【Kling AI】中国発の動画生成AIを徹底解説!Soraとの比較も紹介

押さえておきたいポイント
  • 中国発の最強動画生成AI・Kling、Soraの2倍となる最長2分動画生成
  • 拡散トランスフォーマー+3D Space-Time技術搭載で高精度な動き・物理表現
  • ElementsやAI Avatarなど多機能化が進み、フィクション表現やカスタム制作に強い

みなさん!お隣中国から、OpenAIの「Sora」を超えるかもしれない最強の動画生成AIが登場しました!

その動画生成AIはSoraと同じクオリティの動画を、なんとSoraの2倍の長さまで生成可能。気になる名前は……「Kling(クリング)」です!

ということで当記事では、中国発の最強動画生成AI・Klingを徹底解剖!技術面や機能面、デモンストレーション動画の注目ポイントまで、公式サイトよりも詳しくお伝えしていきます。

なお、Klingは現在、OpenAIの動画生成AI「Sora」や米国Runway社の動画生成AIと並び、2025年の業界を代表する存在として世界的に注目を集めています。中国企業発のモデルがここまで話題になるのは珍しく、いま最も目が離せない生成AIと言えるでしょう

完読いただくと、次に来る生成AI関連技術のトレンドがわかる……かも。ぜひ、最後までお読みくださいね。

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中国発の動画生成AI「Kling」の概要

「Kling」は、中国の動画共有SNS「快手 / Kuaishou」が開発した動画生成AIです。(※1、2)

そのすごいところは……

  • 最新技術「拡散トランスフォーマー」と「3D Space-Time Attention System」を搭載
  • Soraと同クオリティ(1080p、30fps)の動画が生成可能
  • 一度に生成できる動画の長さはSoraの2倍で、最長2分まで
  • 複雑な動きや物理法則を破綻なく表現可能
  • フィクション題材の表現力も優秀

以上のとおり。このKlingはなんと、OpenAIの動画生成AI・Soraを超えるスペックをもつ「現状最強の動画生成AI」なんです!

さらに、2024年12月19日に「Kling AI 1.6モデル」のリリースが発表されました。

このアップデートにより、プロンプトの忠実度の向上やKling 1.5モデルと比較して全体的なパフォーマンスが195%向上するなど、よりハイスペックな動画生成AIとなっています。

その後も進化は続き、2025年春にはPhase 2.0アップデートが実施され、さらに、2025年9月には最新モデル「Kling 2.5 Turbo Pro」も公開されました。

Kling 2.5 Turbo Proでは、プロンプト遵守精度の向上や、映画さながらのカメラワーク制御、物理演算のリアリティ強化、キャラクターの表情・演技力向上、フレーム間の歪み低減など、大幅なクオリティアップが図られています。

ちなみに「快手 / Kuaishou」は、中国本土でTikTok(抖音)に並ぶ人気を誇るSNSです。

Kling AI Avatar登場

2025年9月、Kling AIに人物アバター生成機能「Kling AI Avatar」が新登場しました!

Kling AI Avatarは、画像1枚と音声をアップロードし、表情や感情を指示するだけで、任意のキャラクターをリアルに喋らせることができる機能です。

あらゆる役柄・声色で、高精細な口パク動画を作成できる画期的な機能です。このアップデートにより、Klingは従来のテキスト・画像からの動画生成に加えて、話すAIアバターという新たな映像表現も可能にしました。

Klingに採用されている技術

中国発の最強動画生成AI・Klingは、フィクション題材をもリアルに破綻なく表現できてしまいます。その秘訣は、Klingに盛り込まれた……

  • 拡散トランスフォーマー:フィクション題材での表現力を高める技術
  • 3D Space-Time Attention System:物理法則の表現力・リアリティを高める技術

以上2点の最新技術にあります。まずはOpenAI・Soraにも採用されている「拡散トランスフォーマー」から、そのしくみ・機能をみていきましょう!

拡散トランスフォーマー

Klingは、Soraにも採用された「拡散トランスフォーマー」を搭載。(※1)これがどのような技術か、というと……

拡散モデル:動画をノイズで塗りつぶす工程を学習、逆の工程でノイズから動画を生成可
(→フィクション・抽象概念も、柔軟に表現できる)
  +
Transformer:動画全体の流れを並列処理で学習でき、動画中の各要素とその前後関係の抽出が可能
(→文章を読むように、動画全体の流れが破綻なく理解・表現できる)

StableDiffusionのブレイン「拡散モデル」とChatGPTのブレイン「Transformer」を組み合わせたものになります。この拡散トランスフォーマーを搭載したKlingでは、フィクション・抽象概念を含む動画の生成が破綻なく可能です。

3D Space-Time Attention System

Klingには「3D Space-Time Attention System」という技術も採用されています。(※1)こちらは名前のとおり、「3D Space=3次元空間での動き」と「Time=時間経過」の関係性を学習するためのモデル。(※3)しくみとしては……

参考:https://openai.com/sora#capabilities

このように動画を細かなパッチに分けてから、一連の動きと時間の関係性を学ぶものになっています。

Klingにできること

Soraと同じ技術を採用した動画生成AI・Klingでは……

  • 高解像度な2分動画の生成
  • 複雑な動きの表現
  • 3次元空間の理解
  • フィクション題材での表現力
  • ダンスムービーの生成

といったことが可能です。まずはSoraを超える「高解像度な2分動画の生成」から、詳しくみていきましょう!

高解像度な2分動画の生成

Klingは解像度1080p(フルHD)でフレーム数30fpsの高品質な動画を、なんと最大2分まで生成できます。あのSoraでも、同じ品質の動画を1分までしか生成できません。つまりKlingは、Soraの2倍優れた「現状最強の動画生成AI」というわけです。

複雑な動きの表現

Soraでは複数の物体の動きを表現する際に、しばしば破綻が生じていました。例えば、以下の子犬たちがじゃれ合う動画の場合……

このように子犬が分身してしまいます。

対してKlingでは、複雑な動画および物理法則の表現が可能とのこと。具体的には……

  • 季節が変わりゆくなかで、自転車に乗り続ける少年
  • ナイフで玉ねぎを切る様子

といった動画が生成できるようになっています。

3次元空間の理解

Klingでは先ほどの「3D Space-Time Attention System」によって、3次元空間への理解力・表現のリアリティが強化されています。実際、Klingの動画(左)とSoraの動画(右)を見比べてみると……

参考:https://kling-ai.com/

このように違いは一目瞭然!ジュースをグラスから貫通させてしまったSoraに対して、Klingはグラスの中でコーヒーと牛乳が対流している様子を破綻なく表現できています。

フィクション題材での表現力

Sora同様「拡散トランスフォーマー」を搭載しているKlingは、フィクション題材に対する表現力にも優れています。例えば……

このように「ギターを弾くパンダ」「車を運転する白猫」といった、現実ではあり得ない光景も破綻なく表現できちゃうんです。生成AIだけで映画が撮れる日も、そう遠くはなさそうですね……

ダンスムービーの生成

Klingは、独自の3Dモデリング&リギング技術によって「写真からのダンスムービー生成」を可能としています。(※2)その実力のほどは……

以上のとおり。フォトリアルなアイドルやアニメ風の美少女はもちろん、なんと兵馬俑まで衣装の破綻なくヌルヌル踊らせられちゃうんです。

なお、ライバル動画生成AI「Sora」について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

Kling AIの最新機能「Elements」

AI動画生成の新たな可能性を切り開く「Elements」機能が2025年1月23日、Kling AI 1.6に導入されました。(※4)この機能の登場で、AIによる映像制作がさらに進化。

最大4つの異なる要素画像を組み合わせて、希望通りの被写体やオブジェクト、背景を設定し、一貫性のあるダイナミックなAIビデオを作成できるようになりました。まさに、想像した世界をそのまま動画にする時代が到来したのです!これからKling AIのElements機能のすごさを、じっくり解説していきます!

Elements機能の主な特徴

Elements機能により、魅力的な機能が追加されました。以下の5つについて詳しく紹介します。

  • 動画あたり最大 4 つの要素を組み合わせ可能
  • キャラクターやオブジェクトを自由に追加
  • 背景や環境設定も自在
  • プロンプトによる細かい制御が可能
  • フルカスタマイズ対応

動画あたり最大 4 つの要素を組み合わせ可能

Kling AIのElements機能では、最大4つの異なる要素(キャラクター、オブジェクト、背景など)を自由に組み合わせ、画像で指定するのでテキストプロンプトより一貫性のある映像を作成できます。これまで以上に、カスタマイズ性の高い思いどおりのシーンを簡単に作れるようになったのです。

プロンプトに具体的な要素を含めれば、要素の細部まで再現できるのも魅力です。従来のAI動画生成よりも圧倒的にリアルで、表現の幅が広がる映像制作を楽しめます。

キャラクターやオブジェクトを自由に追加

たとえば、カフェでコーヒーを飲む年配の男性を登場させる場合「カフェ」「コーヒー」「男性」の要素をアップロードするだけで、AIがシーンを完璧に再現。

まるで実写さながらの映像もわずか短時間で完成します。オリジナルキャラクターやブランドのマスコットを動画に登場させることも可能です。

特定の小道具を追加し、ストーリー性のある演出も調整できます。「赤い本」「青い傘」などの具体的なオブジェクトを設定すれば、一貫性のある世界観を保ちつつ、より洗練された仕上がりになるでしょう。

キャラクターにサングラスをかけさせたり、腕時計を身に着けさせたりと、同一のキャラクターでスタイルの変化を楽しめるのも大きな魅力です。

背景・環境設定も自在

「雪に覆われた森」「にぎやかな都会のストリート」「未来都市」など、Klingならシーンの背景を自在に設定可能です。「本棚のある書斎」「海辺のカフェテラス」「夜景が美しいラグジュアリーバー」など、シチュエーションに合わせた演出ができます。広告やプロモーション動画も一気にレベルアップ!

たとえばカフェのシーンの場合、テーブルの上にサングラスを配置すれば、洗練された雰囲気を演出できるでしょう。こうした細かな設定が可能になり、より没入感のある映像制作が実現するのです。

プロンプトによる細かい制御が可能

Kling AIは詳細な指示を出せるので、理想に極めて近い映像を作成しやすくなりました。否定的プロンプト(AIに含めたくない要素を指示するプロンプト)を活用すれば、余計な要素を省くなどの調整も簡単です。

「青い空」を背景にしたい場合、AIが勝手に雲や鳥を追加してしまうことがあります。その際に「雲なし」「鳥なし」とプロンプトに入れれば、余計な要素を削除してスッキリとした空を維持できます。

カフェのシーンを作成する際には「コーヒーカップを持った人物」と指定したものの、AIが勝手に別のオブジェクトを追加してしまうことも。そんな場合は、「本なし」「新聞なし」といったネガティブプロンプトを設定して余計な要素を削り、意図したシーンを作成できるということです。

細かい調整が簡単なので、思い描いたシーンをそのまま再現しやすく映像の精度が格段に向上しました。

フルカスタマイズ対応

Kling AIのElements機能は、まさに「自由自在な映像制作」を可能にするAIツールです。細かな設定ができるので、目的に応じた最適な動画を作れます。動画の長さは5秒または10秒の2種類から選択可能。短尺のSNS用動画から、プロモーション向けのしっかりした映像まで幅広く対応できます。

アスペクト比は16:9の横長、スマホ向け9:16の縦長、1:1の正方形から選択可能です。解像度は標準モードでは720p、プロフェッショナルモードではより高解像度の映像を出力できます。生成速度やクオリティを重視する場合にはプロフェッショナルモードがおすすめです。

プロフェッショナルモードを使えば、より詳細な映像を生成でき、映画のようなシネマティックな仕上がりにも対応できます。SNS向けの短尺動画から高品質なプロモーション映像まで、用途に合わせた動画制作が可能になりました。

Elements機能の登場で、クリエイターやマーケターにとって、これまでにないレベルの自由度と表現力が手に入りましたね!

Klingの商用利用について

Klingの商用利用については、現時点で明確な情報が公開されていないため商用利用ができるかはっきりしない状況です。ただし、利用規約上は明示的に禁止されていない限り商用利用も可能と解釈できるとの情報もあります。

とはいえ、画像や動画の利用について利用規約に明記されていない場合、生成した動画を商業的なコンテンツや広告に使用した際に法的リスクや著作権の問題が生じる可能性があります。

また、Klingの無料プランで生成された動画にはウォーターマーク(透かし)が入っているので、無料版の場合は商用利用はできないと考えた方がいいでしょう。

有料プランにアップグレードすればウォーターマークを外せるので、有料プランであれば商用利用ができる可能性は高いです。ただし、商用利用の可否について利用規約に明記されていない以上は避けた方が無難でしょう。

Klingの商用利用を検討している方は、公式SNSから最新の情報をチェックするのもおすすめです。

Klingは日本語で使える?

Klingでは、日本語のプロンプトを使って画像や動画を生成することが可能です。

ただし、ユーザーインターフェース(UI)は日本語に対応していないため、画面上の操作メニューや設定はすべて英語表示となります。

とはいえ、ブラウザの翻訳機能を活用すれば問題なく操作できますので、ツール自体は一度使い方を覚えればスムーズに使いこなせるはずです。

また、海外製の生成AI全般に共通することですが、日本語対応であっても日本語より英語のプロンプトの方がより精度の高いコンテンツを生成できます。

Klingは中国製の生成AIなので、日本語よりも英語、英語よりも中国語の方がより精度が高くなります。Klingで思い通りの結果が得られない場合は、翻訳ツールやテキスト生成AIを活用してみてください。

Klingの料金体系

Klingには、無料プランと3つの有料プランがあります。

各プランの料金と主な機能は以下の表を参照してください。

スクロールできます
プランFreeStandardProPremire
月額$0$10(年契約の場合$6.6)$37(年契約の場合$24.42)$92(年契約の場合$60.72)
ウォーターマーク(透かし)ありなしなしなし
付与クレジット366クレジット/月660クレジット/月3000クレジット/月8000クレジット/月
生成処理優先度低い普通高い高い(最優先)
Klingの料金プラン

無料プランと有料プランの大きな違いは、付与されるクレジット数と生成処理の優先度です。

無料プランでも基本的な動画生成は可能ですが、ウォーターマーク(透かし)が付いており、利用できるクレジット数や機能も制限されています。

さらに、Klingには生成処理優先度というものがあり、無料プランの場合は優先度が1番下になります。そのせいか、動画生成が99%で止まり数日待たされた挙句、最終的に失敗することもあるようです。

有料プランでは、クレジット数が大幅に増加し、動画の長さや画像の品質も向上します。生成処理の優先度も高くなるので、失敗するケースも改善されやすいようです。

Klingの登録方法

Klingにアカウント登録をするためには、以前はメールアドレスとパスワードが必要でしたが、現在はGoogleアカウントなどでも登録できるようになりました。

それではさっそくアカウント登録してみましょう!

ホーム画面右上の「Sign in」をクリックしてサインアップ画面に進み、ログイン方法を選択します。

次の画面に進み、職業とKlingを利用する目的を選択して完了です。

Klingの使い方

ここでは、Klingで動画を生成する方法について解説します。

非常にシンプルな操作性なので、UIが英語でも全く問題なく使えますよ。

まず、「AI Videos」を選択します。

動画生成画面に移動したら、「Text to Video」を選択してプロンプトを入力します。(日本語でOK)

なお、画像から動画を生成する「Image to Video」を選択すると、任意の画像をアップロードしてその画像をもとに動画を生成することもできます。

「Text to Video」と基本的な操作は同じなので、こちらの説明は省きます。

次に、動画の詳細設定を行いましょう。プロンプトへの忠実度・クオリティ・動画の長さ・サイズ・生成する動画の数の5つの項目を設定できます。

有料プランに登録している場合、さらに「Camera Movement」でカメラの動きを設定することも可能です。

この「Camera Movement」はKling独自の機能で、カメラの動きを設定してより望んだものに近い動画を生成しやすくなります。

最後に、ネガティブプロンプトを設定しましょう。

ネガティブプロンプトは、生成される動画や画像から望ましくない要素を除外するのに役立ちますが、必須ではないので必要な場合に入力してください。

全て入力したら、「Generate」をクリックして完了です。

Klingで生成した動画を紹介

ここからはKlingで生成した動画を計8本紹介!その表現力のすごさ・注目ポイントも含めて、お伝えしていきます。

動画1.自転車に乗る子供(長尺動画)

まずは「Sora超え」の事例、Klingによる90秒の動画をご紹介します。それが以下「季節が変わりゆくなかで、自転車に乗り続ける少年」の動画です。

参考:https://kling-ai.com/

こちらは90秒のAI動画、という点だけでもすごいのですが……

  • 秋→冬→春→夏と、季節の順番を破綻なく表現できている
  • ペダルを動かす足の動きがなめらか
  • 画面が揺れても、石畳の模様が安定している
  • 風を受けて膨らむシャツの表現もリアルに忠実

というふうに、クオリティも圧倒的。生身のクリエイター顔負けの動画ができてしまっています。

動画2.岩礁を漂う熱帯魚

続いては、Klingによる超リアルな動画をみていきます。Klingに下記のプロンプトを入力すると……

An emperor angelfish with yellow and blue stripes swims in a rocky underwater habitat
参考:https://kling-ai.com/

お見事!熱帯魚の動画が返ってきました。この動画の注目ポイントは……

  • プロンプトの「 emperor angelfish=タテジマキンチャクダイ」が忠実に再現できている
  • 体の左右で模様が同じ
  • 水中でのヒレの動きがリアル

以上のとおり。「ダイバーが撮影した動画」と言われても気づかないほどにリアルな仕上がりです。

動画3.コーヒーにミルクを注ぐ様子

今度は、先ほどチラ見せした事例です。下記のプロンプトをKlingに入力し、「コーヒーにミルクを注ぐ様子」を生成させてみると……

A hand pours milk from a steel whisk into a cup of coffee on a table with a blurred kitchen background
参考:https://kling-ai.com/

このように、シズル感のある動画が生成されます!ポイントは……

  • ガラスからコーヒーが貫通していない
  • ミルクとコーヒーの対流がリアルに表現できている
  • ピッチャー表面の旋盤仕上げの質感がリアル
  • ピッチャーに手や机が反射する様子もリアル

以上のとおりで、Klingだけで食品のCMが撮れちゃいそうです。

動画4.開花のスローモーション

Klingなら、理科教材のような動画も生成できます。下記のとおり「開花のスローモーション動画」をKlingにオーダーしてみると……

Two flowers bloom slowly against a black background, showing delicate petals and stamens
参考:https://kling-ai.com/

いい感じの動画が生成されました。

こちらのみどころは……

  • 雄しべと雌しべの位置関係に破綻がない
  • 花びらの質感もリアル

以上2点で、おおむね本物の花を撮った動画と遜色がありません。ただし「花のがくの部分からつぼみが出ている」という描写には違和感があります。ここは要改善ですね。

動画5.ギターで弾き語りするパンダ

先ほどお見せした「パンダの弾き語り動画」は、下記のプロンプトから生成可能です。

A giant panda plays a guitar by a lake
参考:https://kling-ai.com/

このキュートな動画は、Klingの真骨頂ともいえる事例で……

  • パンダが本来とらない行動を違和感なく表現できている
  • 背景の水面のゆらぎがリアル
  • アコースティックギターの弦数も現実同様6本になっている

というふうに、どこまでもリアルにフィクションが表現できています。

動画6.高速道路を走る車のサイドミラー

次は、Klingの3次元空間への理解力がわかる事例を紹介します!下記のプロンプトを入力し、「走行中の車のサイドミラー」を表現させてみると……

In the evening, a car drives down the road, and the gorgeous sunset and serene scenery are reflected in the rearview mirror
参考:https://kling-ai.com/

お見事です!「鏡の中と外の位置関係」や「鏡の中のスピード感」が違和感なく表現できています。

強いて残念な点を挙げるなら、「鏡の外にない道路照明が鏡に映り込んでいる」という点でしょうか。それでも、一見しただけではリアルとの見分けがつきません。

動画7.青いコンゴウインコ

まだまだ、Klingの実力を示す事例があります!今度は「青いコンゴウインコ」について、下記プロンプトからKlingに生成させてみると……

In a close-up, the feathers of a bright blue parrot glisten in the light, revealing its unique plumage and vibrant colors
参考:https://kling-ai.com/

相変わらずのハイクオリティ!「羽やくちばしの質感」や「首の動き」を忠実に再現した動画が返ってきました。「左右で顔の模様が違う」という点に目をつむると、おおむね実写と同じ仕上がりになっています。

動画8.カフェで新聞を読むウサギ

最後に下記のプロンプトをKlingに入力して、「カフェで新聞を読むウサギ」の動画を生成してもらいます。

A bespectacled white rabbit sits on a café chair reading a newspaper with a cup of hot coffee on the table
参考:https://kling-ai.com/

すると見事に、キュートな動画が生成されます。こちらのすごいところは……

  • メガネ越しに見えるうさぎの目が破綻していない
  • 湯気の動きもリアル

以上のとおりで、やはりフィクション題材であってもリアリティが保たれています。

Klingを利用する際の注意点

OpnenAIの「Sora」を超えるクオリティで注目を集めているKlingですが、利用する際には注意しなければいけない点もいくつかあります。

  • 著作権について
  • 安全性について
  • 動画の品質のばらつき

1つずつ見ていきましょう。

著作権について

Klingで生成した動画の著作権は、基本的にはユーザー自身に帰属します。

ただし、生成に使用した画像やテキストに著作権が存在する場合、それらの権利を侵害する可能性があります。特に、他人の作品を模倣したり商標を無断で使用したりすることは厳禁です。

生成するコンテンツがオリジナルであることを確認し、必要であればモデルリリースなど適切な手続きを行うようにしましょう。

また、現時点(2025年10月)でKlingの利用規約には商用利用について明記されていません。

Klingで生成したコンテンツの著作権はユーザーにありますが、商用利用については利用規約の最新情報を確認するなど、法的問題に繋がらないよう注意してください。

安全性について

Klingの運営元である快手(Kuaishou)は、これまでに大きなトラブルやセキュリティ問題などの報告はありません。

快手のショート動画プラットフォームでは、悪意ある虚偽情報の取り締まりを強化しており、利用者の安全性を重視しています。

しかし、個人情報の管理については細心の注意が必要です。これは生成AI全般に言えることですが、入力したプロンプトや生成されたコンテンツをAIの学習データとして使うこともあり、個人情報や機密データが第三者に渡ってしまう可能性もあります。

動画制作に関わるデータやプライバシーに対して、十分に注意を払うことが重要です。

動画の作成に時間がかかる

Klingは、無料プランと有料プランで動画の生成にかかる時間が変動する「生成処理優先度」というシステムがあります。

無料プランでも基本的な機能や最新モデルを使えますが、とにかく生成にかかる時間が長く、数時間〜数日はかかるのが現状です。さらに数日待った挙句、生成に失敗するケースも…

他の動画生成AIが数分で生成完了することを考えると、これは大きなデメリット要素と言えます。とはいえ、有料プランであればグレードごとに優先度が上がっていくので、生成処理時間も短縮され失敗するケースもぐっと減ります。

動画の品質も無料プランと有料プランではばらつきがあるようなので、「すぐに動画を完成させたい」「確実に高品質の動画を生成したい」という方は、有料プランへの加入がおすすめです。

なお、動画生成AIの自社サービス活用事例について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。

中国発の動画生成AI「Kling」はSora超えかも……

当記事では、Soraを超えるかもしれない中国発の動画生成AI「Kling」について紹介しました。

Klingのすごいところを簡単にまとめます!

  • 高解像度な2分動画の生成
  • 複雑な動きの表現
  • 3次元空間の理解
  • フィクション題材での表現力
  • ダンスムービーの生成
  • 最大4つの要素を組み合わせ可能

以上の強みをもつKlingなら、「カフェで新聞を読むウサギ」「ギターを弾くパンダ」「車を運転する白猫」といったフィクション題材についても動画生成が可能です。それでいて、物体の質感や物理法則をリアルに表現してくれます。

さらに、Elements機能によりキャラクターやオブジェクト、背景などを自由にカスタマイズできるようになり、より高度な映像制作が可能になりました。

そんな超優秀なKlingですが、商用利用については利用規約に明記されておらず、商用利用ができるかは分からない状況です。商用利用を考えている方は、公式SNSや利用規約などで最新情報をチェックしてください。

著作権や安全性、動画の生成時間についての注意点を踏まえた上で、上手にKlingを活用しましょう!

最後に

いかがだったでしょうか?

「Kling」をはじめ、動画生成AIの進化はビジネスの可能性を大きく広げます。Klingの活用でどのような価値を生み出せるのか、貴社の業務やプロダクトに最適な活用方法を検討してみてください。

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